0もしくは100の僕ら50に揺らぐ

Take14 布団戦争

「もう寝るから」

イヤホンをして

ベッドに入る

照明も消してやる

何もない

何もない

唱えて

落ち着け

「ふーん寝るんだ」

イヤホンを無視して

ベッドに入ってくる

照明を消した罪

何するんだ

何するんだ

焦って

落ち着かず

「何してんのっ」

「何だと思う？」

蒼温の手が

背中でタクトを振る

「何やってんの？」

「考えてみなよ」

(うーん、何だろ？)

(違う違う)

「蒼温は下のお布団でしょ」

「一人で寝るわけ無いでしょ」

聞き分けの悪い指揮者

プライドの高さに呆れる

週末（やすみ）は貴重なんだよ

だから奇妙な事はお断り

「じゃ、僕がお布団で寝る」

「じゃ、俺もそうする」

「もう高二だよ」

「そう高二だよ」

金曜の帳（とばり）が

散って消えた