Take6 新学期、春は影

二年生になった

蒼温とは別々のクラス

正直ホッとした


まさか学校が

一番安らげる場所になるなんて

一年生の僕には考えられないな


真新しい教科書

野暮ったい黒板

普遍に進む授業

外は過ぎた桜の匂い


クラスが変わっても

変わらない同級生達

これが普通だよな

これが普通かもな


放課後になる

チャイムが

音階を無視して

僕の右と左


「陸早く」


いつも通りの声

そのはず

僕は信じて

いいはず、だった


部活に行く

方向とは違う

人影が絶え

笑う影、冴え


君は僕を逃がさない


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