41 マリン星 世界重要会議。

 重要会議。


 マリン星の先進国家の代表が集まる、会議。


 その日、大きく、マリン星は揺らいだ。


 かの、星を支えてきた技術師 喜界島 寅次郎死だ。


 其のニュースは世界のみならず、宇宙中を駆け巡った。


 其々九つの先進国家から、その首脳が集まる。


 セニョーレ島の王 ゲルフ・アルマ と、


 政治最高責任者 マギト・エル・ドマンド 


 ギオルク島の王 ギオルク・アルターネド と


  総裁 マルケドン 


 ジャアーチ国 国民代表 ノルド、


 グール メメット チヨドルフ  統一代表 メルダ 、


バロット大陸のメグリ帝国の分裂後出来た三つの国 


エリジマ国 バレット 


ガレア国 ゲチス 


フレコ国 グーテ  



そしてバレット大陸北部のエレニェーロ、パッシャロニキ、ゲンゲンダレス と


其の統一女王 メグリット 


マルマン大陸 中部 ベニス ガレット 


東部 ガラス ジード 


北部 アッシル ピョードルフ、アルメトロン リンクー。


 世の異端児で或る、四人の原初の魔導士を私が見つけた時から計画されていた。


 神代の神々が反転世界を創り出し、其処で三千京千京年以上の時を過ごしていたある日、我々とは別の種の生命が此の反転世界にどういう訳か紛れ込んでいるのを発見した。


 はじめは興味本位で其の生命を観察していたが、其れ等は、遂に、私が住処にしていた、バール塔の頂上までやって来た。


 「おお、あなた方は、まさかここまで来られる、生命が私たちの他に居るとは・・・。」


 そこで、私は、彼等に興味を持ち、使命を与えた。


 神を殺すものの育成だ。


 彼等は、私には、勝てなかった。


 私は彼等に呪を掛けた。


 神代の神々をも凌駕する能力の開発と実験だった。


 其れによって、数多くの魔法が発明された。


 そして、あのマクベスをも超える魔導士が現れた。


 マクベスは生きているが、其れでもマクベスをあそこ迄追い詰めた魔導士が現れた。其れは一体どれ程の確率だろう・・・か。


 私は、神の一つ エリーナ 世界を革新する魔導の王。

 

 

 喜界島 寅次郎 奴は、偉大だ。マクベスは其の怪我でボロボロになった身体を眺め

つつ言った。彼奴は私を見つけていった。


 「この世界は何なんだ。神の遺跡があったぞ。あんたらは一体何者なんだ。あの神話によれば・・・。」


 あいつは、神にあわずして、神の魔道にたどり着いてしまった。


あの菓子太郎の様にな。


あれは、言っていた。


此れは必要な儀式なのだと。


何の儀式かは教えてはくれなかったが、彼奴は死んでいないだろう。


彼奴は、物質から其の過去や未来を読み取る能力で、神への接触に成功し、更には、神の一つになって終った唯一の人だ。


 「寅次郎よ。一体彼奴らはなんだ。菓子太郎・・・。画レ虚・・・。化け物だ。あんな化け物を呼び出して・・・。」


 マクベスは天を仰いだ。


 しかし、まだまだ原初の魔導士には及ばないだろう。此の私が奴らにやられたのは、奴らを侮っていたからだ。あの力を開放すれば、反転世界事吹き飛んでしまうからな・・・。


 しかし、摩訶不思議学校は、上手くやれているだろうか・・・私が死んだ事に成っている反転世界で、私を倒し、四代勢力の一角となった奴らは・・・。

 

 

 ゲルフ・アルマは考える。


 此の国の王に成り、数十年。


此の地の先代の王達に恥じぬよう責務を全うしてきた。


が、此の地は、はじまりの王 メーメートと或る技術師一家 喜界島家のものとで創られた国家であり、何時しか、技術科学の先進国と成っていた。


 長く白い髭を触りながら言った。


 「アルメニア国 代表 リンク―。 私は君に問いたい。」


 「何です。ゲルフ・アルマ王。」

 険しい眼をした屈強な男だ。


 「君は此の世界とは別の世界があるとは思うかね。」


 「いいえ。そのような物は在りませんよ。」

 彼はそう言って鼻で笑った。


 しかし、喜界島の技術はこの世のものとは思えない物ばかりで、ある種の魔法にさえ思われた。


 「考え過ぎですよセニョーレ王。」

 ギオルク・アルターネドは言った。


 そうかも知れぬ・・・。


 ノルドは腕を組んで考え込んでいた。


 ジャアーチ国の中に、異端神話が或る、更には、異界に迷い込んだという、知り合いもいるのだ・・・。


 「さあね。私の知り合いに、異界に行って帰って来たってのが居るよ。嘘か本当か分かったもんじゃないがね・・・。」

 メルダは、異界にいった事のある、反転世界帰りの王で、バラバラに分裂した遊牧民を統一して、一つの連合を作り上げた。


しかし、あの世界の話は、こっちの世界では御法度だ。其れは、原初の魔導士との協定で決められている、破った者は、処分されるのだ。


 おそらく、グーテや、メグリットは、反転世界帰りだ。


 何故ならば・・・。フョームが全く漏れて居ない。


 コントロールされたフョームだ。


 「今回の議題は、喜界島 寅次郎の死についてだ。」

 ピョードルフは言った。


 「彼が死んだ事で、失った、マリン星の技術力の停滞は免れない。」

 ジードは言った。


 「一人の技能士の発明品に頼り切っていた付けが回ったな。」

 ガレッドは言った。


 諸外星からの攻撃や、戦争の中生き残れてきたのは、彼の発明品と技術品があっての事だ。


今や、其れが無い、ウィークとの闘いは、日に日に困難と、死者数を増大化させている。


 「今のままでは、此のマリン星が滅びるのも時間の問題だ。ウィークは今や宇宙の中でも指折りの巨大勢力。」


 如何した物かと、考え込んでいた時。


 扉が開いた。


 「会議中失礼します、初めまして、僕は喜界島 菓子太郎 寅次郎の意志を継ぐ者です。」

 

 この菓子太郎の技術によりマリン星は、何とか、ウィークからの攻撃を退けた。


 「ありがとう。菓子太郎君。君は、此の星の英雄だよ。」


 ギオルクは言った。


 「いえ、いえ。ありがたき御言葉。」


 菓子太郎は、マリン星の技能師たちに、幾らかの科学技術を伝えた。


 にしても、あのような生物が宇宙の星々には生きているのだな。

 

安っぽい言葉で僕を騙せるなどと思うな、失敬な輩だ・・・。Z


 頭痛に苛まれていた。


 彼奴は誰だ。


一体何の目的があって、


僕にこの様な仕打ちをするのだ???。


 洗脳か。


 僕は決して洗脳されないぞ。


お前らの目的は分かっているんだ。


僕を利用して上手くやっていこうと思っているのだろう。


僕を僕で無くして、完全に支配しようとしているのだろう、欲の塊で僕を使おうとしているのだろう。


御金で釣って、性欲で釣って、食欲で釣って、安泰で釣って、人間の持つあらゆる欲を僕は持っている、其れを出来ると言って私に美味しい話を持って来ては、言うのだ。


御前はこれ等が要らないのかと。


僕は、要らない何も要らないのだ。


お前等からの贈り物など、僕からすれば只のゴミ切れ如何なのだから。


 偽物の愛情。


 歪んだ愛情。


 欲と愛をはき違えた。


 醜い姿。


 見て居られない。


 其れなのに、あの男と女は、其れを幸せだといった。


 理性の無い、欲に塗れた世界を幸せだといった。


 僕は逆に地獄だと思った。


 自らの内なる獣の時代の生物としての本能に精神を支配されて、文字や文明を破壊する、事が愚かしく思えた。


 自然破壊が文明だといってゐた。他の生物は自然破壊出来ない、人間に許された特権なのだと、其の女は言っていた。周りの人間どもは女に賛成して森を破壊し、街を立てた。もはや、かつての大森林は開拓され、其の生態系は破壊された。


 なあに。其れが悪い訳ではないさ。好きなようにしただけだ。


 大統領であれ、其れが、敵対国家であれ、世界平和という幻想であれ、結局、自分で生き抜いていくしかないのだ。


国がどれ程頼りになったものか・・・。


国から人が別の国へ逃げていく。其れを止めようとしない国。


 愛国心と言う言葉。


 腐った国の姿。


 歯止めの効かない、信仰宗教勢力。


 未知のウイルス。


 地震の兆候とも見て取れる異臭。


 名前を捨てた怪物。


 國を捨てた、一個人と言う新たな価値観。


 そもそも、何々人で或るだとか、そんな事はどうだってよかった。何々人の精神だとか胡散臭くて嫌いだった。


 自分がどうしたいかではないのか・・・。


右翼だと、左翼だとか馬鹿らしい話ばかりで幻滅した、やるべき事何て明白なのに・・・。


此の儘ではこの国が無くなるのも時間の問題かも知れない。


バカな一般国民は、此の国を征服しようとしている国を認め始めている。


 何をしているのかも理解せずに。


 武器を持って殺し合うことだけが戦争ではない。


サイバー攻撃、領土での不法な渡航、技術を盗む事、あらゆる事が戦争の内に入るのである。


そしていつの間にか、取られるのだ。


経済の主権を、国民の権利を。強い者が勝つ世の中だ。


もし仮に何々民族は我々よりも劣っていると言われて、我々国民の権利が剥奪されるような日が来るとすれば・・・。


そう急に、対策を練るべきだ。そして実行するべきだ。


 終わっているのだ。


 さっさと、話をまとめて、スパイや、外国の民間組織からの恐怖に負けず死ぬ気で其れ等の計画を実行しろ。


外国に脅されて出来ないのか、既得権益を持った連中に邪魔をされるのか。其れ等をかいくぐって死者を出してでもやるべきことではないのか・・・。国の危機なのだ。


そんなのはずっと前からだ。


何もしてこなかったのは、政府であり、国民だ。バカな国民と政府の招いた失態で在り。民主主義の弱点だ。


 頭の中が晴れ晴れ愉快な奴らが蔓延したら御終いだ。


 賢い学者や、一般人の中にも気が付いている人は山ほどいるだろう。けれど何も出来ないのだ。警鐘を鳴らす事は出来ても、組織を相手に出来る事など・・・。一体何が或るだろうか。敵は組織だ。

 

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