26 滅びの国ルーインシティにて、クロード・ゲルに会い、シヱ博士の研究所に案内してもらった!!!

 

 滅びの国、ルーインシティに来た。


 「何だか物騒な処ね・・・。」

 カローナは言った。


 滅びの国は、ギャングや、マフィア、ヤクザ、極道、などの道を外れた者達の集まる、バットな国。


 「喧嘩好きな奴の集まりなんだろ・・・。俺は厭だぜ。この街・・・。」

 菓子太郎は、怖がった。


 けれど、街は、荒れては居なかった、寧ろ上下関係に厳しく、街の人たちの間には義理と人情があった。

 「あんたら、この街に何のようだい?。」


 「此の国で一番強いのは誰でしょうか・・・?。」

 バルマは尋ねた。


 「うーん、そりゃ分からねえが・・・。恐らく、



 黒霧 賢哉か、



 亀山 雫 。其れか、伝説の番長 


残酷 黒兵衛って


のが居るが、ありゃ実在も疑わしい。何でも、此の一体の組全てを裏で操ってるっていう、お人で、表に滅多に姿を現さない、真の実力者らしいもんで・・・。」


 なるほど。


 「亀山組の総本部ってどこですか?」


 「此処から南の、黒谷町七番地ですな。」

 

 五人は黒谷町七番地へやって来た。


 其処にデカい組の本部のビルが建っていた。


 受付の人に、亀山雫に合わせてほしいというと、案の定断られた。


 如バルマの無の境地と直感認識のネイビー魔法で、場所を特定した。


 地下二十階に、隠れているらしかった。


 相当用心深い人物らしい。


 地下への隠し通路を見つけ其処から、地下へ行く。


 其処には、眼鏡をかけた、金髪の背の高く目つきの悪い男が、修行をしていた。


 地下に訓練場が或るのだ。


 「何奴・・・。」

 亀山 雫は警戒を出し、殺意を飛ばしてきた。


 「すいません。初めまして。お話があってまいりました。」

 カローナは、物腰低そうに言った。


 「ああ・・・。悪意はなさそうだな。」


 亀山 雫は、奥のリビングの様な座敷に私達を招待して、お茶と、和菓子を出した。


 「何用で???。」


 「此の国で一番強い人を探していまして・・・。」


 雫は其れを聞くと、豪快に笑って。


 「ははははははは。強い奴なんか探して如何するのだ。」

 そして、事情を話すと。


 「俄かには信じがたい話だなー。拳で語ってくれ。」


 「私が行くよ。」


 ルークが、戦うらしい。


 「来な。あいてしてやるおっさん。」


 「若造が。」

 ルークの体に紋章が浮かび上がる。


 「何だ、この紋章は。」

 亀山は驚いた様子であった。


 獲物は逃さない。


 獲物には、光の紋章を飛ばす。


 狙い撃ちする。


 ぶっとべメテオバースト。


 「速い!!!。」


 連撃だ。地下訓練場が潰れそうなくらいの威力。


 「地下訓練場が倒壊しないか、大丈夫なのかー。」

 バルマは叫んだ。


 「ダイジョブだ、訓練場は特殊な設備でな、そう壊れはしない。」

 亀山はニッコリと笑った。


 一連の連撃を受け流し、亀山は言った。


 「何て連撃だ。躱し切れない。

 一撃の威力が凄まじい、並みの人間ならば粉々に成っているだろう・・・。」


 ルークは高密度のエネルギーを体に纏わせて、紋章に引き付ける様に攻撃し青い光を出しているのだ。


 「神風。」


 次の瞬間、亀山はくるくるとワイヤーの先に鎌を付けた武器を回し始めた。


 「取った。」


 ワイヤーが空間をすり抜け、ルークの目の前迄一気にワープして、飛んで攻撃してきた。


 空間系の高等魔法だ。


 「甘いな。」


 「なっ。何。どうやって避けた。。」


 ルークは、光の速さで消えた。黄色の魔道だ。


 「閃光。儚く散れ。」


 雫は地に付していた。

 

 

 「どうやら本物の様だ。よし、教えてやる、国の頭を。」


 「そいつの名は、クロード・ゲル 。黒霧 賢哉も、残酷 黒兵衛でさえ叶わなかった。禁断の力の持ち主だ。残酷 黒兵衛は実質この国をしっ切っている、頭の切れる奴だ。強さで言えば、ゲル様には劣るが、戦略、戦術においては右に出るものは居ない。黒霧は、俺のライバルだ。」


  そうして、クロード・ゲルの情報を得るために残酷 黒兵衛と、黒霧 賢哉の居る、国会に行くことになった。


「今は、よく分からんバージ組とかいう組織が、街を占領して、不当に殺しや、重税を課して、好き放題やっているらしくて、緊急会議をするとの事らしいな。俺も其れに参加する予定でね、来るかい???。」

 

 

 紅坂会議所。


 二階。


 「雫、其の方たちは一体???。」

 とても、優雅な、白いタキシードを着た、神経質そうな男だった。


 「賢哉あああああああああ。」

 亀山 雫は、急に殴り掛かった。


 どうやら、タキシードの男が黒霧 賢哉ならしい。


 私たちが慌てていると、何時もああだからと、帽子をかぶった、釣り目のサーカスの衣装の様な男が言った。


 「初めまして。僕は残酷 黒兵衛。あっちの馬鹿二人は此の国の二大勢力って事にしてる。何かと都合がいいんだ、あの二人は、馬鹿だし、使える。」


 「君たちが何者かは、大体察しがつく、ゲルさんに会いたいんだろ。」


 「はい。」

 私は答えた。


 他人の思考を読む能力。其れが残酷 黒兵衛の能力ならしかった。


 「もう喧嘩はいいから。」


 「厭駄目だ。俺の方が此奴より強いんだ。」

 雫は言った。


 「いいや、俺の方が。」

 黒霧 賢哉は殴りかえす。


 「子供じゃないんだから、いい加減にしたらどうだ。」


 「出来ないね。」

 

 「知っての通り、バージとかいう、馬鹿な組織が我々の平和を脅かそうとしている。」

 残酷 黒兵衛は、議会の進行をはじめた。

 

 バージに制裁を与える為に、黒霧と亀山は共闘して、バージの主犯を捉え刑務所にぶち込む事になった。


 現場に行ったとき、もう既にバージの主犯は捉えられていた。


 「随分と遅かったね。」


 「ゲル、御前、もうすでに取り押さえていたのかよ。」

 残酷 黒兵衛はたいそう、無駄足を踏ん残念だといった声音で言った。


 「あはは。そちらの人たちは?。」


 「ああ、御前に用があるらしいぜ。」


 「こんにちは。初めまして。」


 互いに挨拶を済ませ、自己紹介をした後、事情を説明した。


 「へえ。なるほど。」


 ゲルは、黒いロングの髪の、目つきの鋭い、帽子を被った、ボーイッシュな女だった。


 「僕の力が借りたいという訳か・・・。」


 此処は元は社会不適合者のならず者が集まって出来た町。其れが、此処までの国になった。喧嘩しか取り柄の無い馬鹿や、社会に反抗した悪人の集まりだった。


 「俺たちは、犯罪を犯さない。刑務所に入れられた奴もいた、人を殺した奴もいた。だが、立ち直った。社会に受け入れられない不良を受け入れた。」


 今では町は、もはや複数の街の集まりによる国に成った。


「街の平和は俺たちが守ってる。」


 と、黒霧は言った。


 「バージはもともと、国の中でも腕利きの仲間だと思っていた奴が主犯だった、奴は凶暴だった。近頃は、政略だとか、征服だと言ってきかなかったが、平和を愛する番長は、決して他国の制圧をしようとはせず、寧ろ和平を結んで、国交をしていた。其れが気に喰わなかったのだろう。」


 元、マフィアのボスが創った国。噂では、怖い国だと思っていたが、実態はとてもいい国だった。


 「僕はマクベスさんと闘う必要があるのかい???。僕には何の恨みも無い人だが・・・。事情はわかったけれど、僕には戦う理由がない。街の自治を守るためにしか、戦わないにで或る、済まないが、断らせてもらうよ。」


 五人は落胆した。

 

 「僕には、理由がないんだ。マクベスって人を敵に回すのも嫌だしね。只情報は教えてあげるよ、僕の此の黒の術は、僕の師匠、オーベニル・シヱ から授かったものだ、宇宙開発局所長さ。」


 聞いたことのない、局だ。

 誰だろうか。

 

 

 「彼は、反転世界の宇宙にたどり着いた、三人の一人さ。その技術が摩訶不思議学校のレインボーロードなのさ。宇宙開発局は、此処から更に北に進んだ、寒い処に或るアル島に機密エリアとして存在する、幻の島さ。外部のものを寄せ付けないステルス性能のある島。辿りつける奴は、居ない。此の石を持っていけ、そいつが無いと誰も中には入れない。此れも何かの縁だ。俺が案内してやるよ。」

 

 

 そうして、六人はオルトモンド海の上を空飛ぶ車で飛んでいた。


 「この辺りだ。」


 ゲルは、石を海に落とした、すると、石が重力に反して浮き始めた。


 空間がカーテンの様になっている。


空間をめくると、アル島があった、外部は巨大な大樹で守られ、中に研究所が立って居る、風車が回り、水車が回っている。


 「凄い。」

 私は思わず声を漏らした。


 どういう仕組みなのか、宙に水が浮いていた。まるで無重力空間の様だった。


 「宇宙医療の研究をしているんだ。」


 重力操作による発電器具。


 宇宙舟。


 研究施設の中に入ると、ゲルは博士が近頃凝っている研究が石に生命を宿らせる研究だと言って、三階の特殊石の開発研究室に連れて行った。


 「シヱ博士。客人を連れてまいりました。」


 「ふむ、そのフョームはゲルじゃな・・・。」


 男は子供だった。


 歳は百を過ぎて居るらしいが子供の、赤ちゃんの様な背丈の子供だった。


 「儂のラボへようこそ。」


 白衣を着た。まるで博士ごっこで遊んでいるとしか思われない、愛らしい子供の姿。


 「僕は、生れて三歳から歳を取らない。生まれたその時から備わっていた、重力能力の適正によるものだろう・・・。」


 赤ん坊は饒舌に話し出す。


 橙色の髪をした、黒の魔導士とは思えないくらい幼く、可愛らしい男の子。


 否、三歳児の体では、男女差さえ、殆ど発現出来て居ない中世的な声変わりさえしていない子供。


 「僕に何のよう?」


 「マクベスと闘う為に・・・。力を貸してくれないかと・・・。」

 カローナが話を切り出した。


 「うむ。良かろう。あの男は昔から気に喰わなんだ。儂は、死んだ事に成っとるが、何時、奴がこの場所に気付くとも限らん。」


 何でも、シヱ博士は、マクベスと何らかの確執があるそうすであった。




 「マクベスには多くの技術を奪われた、奴の他人の魔道を奪う能力によってな、ノーマンと言う怪物は奴の能力によって創られた奴の魔道を奪う能力の複製品じゃ、あれは古代遺跡の文明によるものじゃったが、奴は試練をクリアし其の力を得た。儂は奴から逃れるために、此のステルス島を創り、分身体に自死させ死んだ事にしているのだ。」




 マクベスは、相当な強さがあり、あらゆるものを惹きつけるカリスマ、絶対的な力。に溢れている化け物なのだといった。


 「私は数少ないであろう、マクベス本体と遭った事のある人間じゃからな。反転世界に外側はあるのか。やつと、宇宙で死んだゴリアはかつてこの世界の外に出ようと、愚かな願いで、宇宙へ行った友であったのだが、この世界の外側は、人の住めた場所では無かった。其れによってもたらされた新技術、例えばレインボーロードの様な物はあったが、其処は、防護服なしには、即死する、摩訶不思議空間だった。」



 研究は打ち止めに成り、地上に帰って来たという訳なのだが。



 「儂は秘密裏にまだ、研究を続けとると言う訳じゃ。あの宇宙空間の中で確かに、私は、夢を見た。其れは、もう一つの力の夢じゃ、


 マニ


が解明されれば、恐らく反転世界に新たな道が出来る。只其の道の先には・・・。この先は極秘じゃ。」

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