第43話 急なお泊まり会

『景一…本当に言ってる?』


「え、うん。あでも俺の熱とか移しちゃいかんし、どっちでもええんやけど。」


「ボクは…別にどっちでも…い、いいけ…ド?」


「わ…私は…、ええと…まぁダメじゃないけど…。」


「なんでそんなキョドってんすか。別に異性関係なく楽しくお泊まりしようぜい、って病み上がりな人がいいますけど。まぁ風呂とか着替えは考慮しますよもちろん。」


「そ…そうだね!」


「わ…わかったわよ。」


「おぉナイス乗り気になってくれたか!よしんじゃ早速準備いたしますか。」


『おーー!!!!』



しかしうちに秘めたりし二人の思いは________


(け…景一の家に…ついにお泊まり…!嬉しい、嬉しい…けどすごく緊張するぅ…!)


伊織は高まる胸の鼓動を感じていた。楽しみで胸膨らむ一方で、またまた景一と近くで寝られるチャンスが来ると…。


はたまたイくところまでイ(((((



さぁさて鍵塚のほうはというと…。


(わ…わ、私が…初のお泊まりで…男子の家に…!?)


実は友達の家へ泊まりにいくのが初めてである。かつ、それが男子の家となると話はまた大きくなる。

男友達慣れしていないことが今仇となったしまった。

楽しみな気持ちを持ち合わせつつも、緊張と恥ずかしさでいっぱいの鍵塚である。



一応景一はというと…。


(っしゃぁぁぁぁあ泊まり会じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぃぁぁぁ!!!!)


えー、純粋に、喜んでいただけである!

ただただ友達が家に泊まることに喜びを感じているだけなのである。



さぁ、何も考えてないただ単純に楽しみたい景一、景一の家に泊まることに緊張しているがこのチャンスを逃さまいとものにしようとする伊織、まさかの初お泊まりが男子の家という事実にもうぶっ倒れそうだがそれを表に出すまいとする鍵塚。


皆の行方は___________




____________さぁ色々準備を済ませたとこで


「私、ほんとに絵実ちゃんの服借りていいの…?」


「あぁうん。確認取っといたからいける。」


_______


「なぁ絵実、実は伊織と鍵塚が俺んち泊まりにくることなってんけど、服貸してやってくれへん?」


『ふーん…。絵実全然いいよぉ〜?ニヤリ。」


「おけありがとう。」


『ふふぅんどういたしまして〜。へへ。」


絵実は気づいていた。この状況が面白すぎることに…!

でも兄貴が暴走しないかだけが心配だった、が、それはもう信頼しきっているので大丈夫であった。


この友情や愛情は、無意識にも相互の信頼に基づいて成立している。


________


「んで伊織やけど…、多分絵実のサイズ合えへんからやっぱ俺のでいいすか?」


「ま…まぁ別に…いいよ。うん。」


「おけほんなら飯も食うたし、ゲームしようぜぃ。」


『おー!!!!!!』


俺たち全員気合い入ったぜ。


____________


「鍵塚お前メテオ決めてくんなや〜。」


「へへん、ナイスだろ。」


「景一なかなかのベヨネッタ使い手だね。コンボうまい。」


「せやろ。あとカムイやな得意なん、てかその2キャラしかおらんかったわ。」


「私…、たいてい使えるんだ。」


「おぉ、じゃあ鍵塚ネスとか?」


「ネスはバけたら強いわよ?」


「かかってこいやぁー!!俺はカムイでいく。」


「ボク、ガノンでいくね。」



3…2…1…GO!!!!!!!!



「まってネスこんな強かったっけ?やばいヤバいマジで笑笑。」


「あと体力が…一つしかない…。」


「どうだい私、案外強いでしょ。」


「いやすげぇわまさかこんな強いとは。」


「スマブラはやりこんでたわね、結構。」


「クソォやってやるぜぇ!伊織、手ぇ組もうぜ。」


「おうよ、景一。2人でやってやるぜ!」


「かかってきな2人とも。返り討ちにしてやる。」


『うおぉおぉぉぉおお!!!』


スマブラ超楽しい。今度8人でロボット艦隊勝負したいなぁと思った。

ひたすら横Bでいじめれる。


さて鍵塚には伊織とタッグ組んだけど普通に負けました。鍵塚恐るべし。



________なんやかんやで深夜2時


「買い出したおかしがもうそこついちゃうね。」


「うん…そうや……なぁ〜……。」


「もしかして、景一。ダウン…?」


「なわけ…っていいたい……けど…。」


「まぁ景一病み上がりだもんね。先寝る?」


「うー…ん。俺寝る…。ふとんは…俺の部屋でもどこ……でもぉ…。」


「おやすみぃ景一。」


「ゆっくり寝なさいよ〜。」




「景一今度こそ本当に寝ちゃった。」


「私たちも寝る…?」


「実は結構限界きてるんだよね。」


「私も…。ふぁ〜、あくびとまらないわよ。」


「寝ますか。布団はもう…景一の部屋でね。」


「そうね…。消灯して…っと…、じゃあおやすみぃ…。」


「良い眠りを…。」





______さてさて皆さん寝静まる…かと思いきや


(あれ…これバレずに景一にベタベタできるのではないか…!?ヤバいそう考えてたら眠気飛んじゃった…!)


伊織は目がバキバキになっていた。


(ちょ…ちょっとだけなら景一に…甘えても…バレないよね…!えいいいややってやれぃ!)


半分自暴自棄になっていて、かつ超深夜テンションの伊織は、景一へ顔を近づけ…、




チュゥーーーーーー…




「ハァ…、ハァ……、ハァ…、キス…苦しくなるくらい愛おしいってこういうことなんだ…。」


かなり深く長いキスを唇同士合わせて…。



もちろん、超爆睡の景一には気づかれることはない。


「我慢できない…!抱きしめたい…!」



伊織は景一のそばに寝転ぶと…、腕いっぱいで景一を包み込んだ。


それはもう気づかれない程度で、でも強く抱きしめて…。


あぁ景一…すごくあったかい…。安心するぅ…。

あぁボク……、景一を抱きしめたら、急に眠気が…。


あぁもう…まぶたが………。



一方____________


(そういえば私…、景一の家にいるんだった…!ヤバい急に緊張と恥ずかしさがまた…!)


鍵塚は友達の家に泊まりに行ったことがなかった。それがましてや男子の家になど、もう言語道断!


鍵塚にとって、一つ屋根の下、ましてや同じ部屋に男子がいる。そして同じ空間で一緒に寝ているということに意識が飛びそうなほどドキドキしていた。



私…別に景一を伊織ほど大好きなわけではない…けど、これはさすがに…緊張しちゃう!


心臓が張り裂けそう…!

なんで私今気づくかな…。あぁもう無理だ…目を瞑って羊数えるしかない…。


ンンンン無理だぁ…眠れないぃ…!



そろって女子2人が眠れない状態…だと鍵塚は思っていたが…。



伊織寝たのかな…って、伊織いないじゃん!

…ってあぁ!景一のところにいるわ…!


ま…ままままさか…!……って伊織寝てるんじゃない…?もしかして…もう…事後とか…!?


だめよ妄想が膨らみすぎてまた余計に寝られなくなっちゃったわよぉ…!!


あとその妄想が本当にあってたなら…うわぁ…胸が破裂しそうぅ…!




結局鍵塚は思考がぐちゃぐちゃになってしまってまた眠れなくなった。

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