第41話 夏カゼと熱来てもうた

「絵実〜、なんか今日めっちゃだるいねんけど〜。」


「絵実もだるいよ〜。もう今日一日中寝るもん。じゃ、おやす。」


「ぼくも昨日の海の疲れ取れてへんから寝る〜。」


「あぁ、おやすみ2人とも。」



「さーて、んじゃ俺は…。」


「__________ゲームするか✨」



_______次の日


「あかん頭ガンガンする…。亮太〜、動けんわ…。」


「えー、絶対しんどいのにゲームしてるからやん。」


「おん、なめてたわ。疲れとる時は寝るのが1番やわ…。アカン熱っぽいわ。」


「もうねときーな、死ぬぜ。」


「ンー、でもまだ動けるし…ゲームするか。」


「もうぼく知らんで〜。これで熱出たら姉ちゃんも呆れるぜ〜。じゃあ遊んでくるね〜。」



「おう、いってら〜。マイクラあとどれくらいで建築終わったっけ。」


________その次の日


「アカン…もう死ぬ…。」


「ほら、言わんこっちゃない。今日家族で出かけるらしいから。」


「にいに一人だけお留守番やな。」


「わかったよ〜。もう流石に死にそうやから…。寝るわ。」


「じゃあ言ってくるわね。景一、ホンマに一人で大丈夫?」


「マミーよ、甘くみないでおくれ。まぁ多分大丈夫。いってらっしゃ〜い…。」


「わかったわ。じゃあ行ってくるな〜。さぁ2人とも、パパがもう車出しとるから行きなはれ。」


「じゃにいにの健闘を祈って」


『いってきまーーす。』


「いってら〜。」



「さてさて…、ホンマにやばそうやから、とりあえず熱測るか。あぁしくったわ。睡眠不足もきてるなこれ。」


とりあえず熱を測ってみた。



ピピピッ…ピピピッ…



「はぁ…39.7度…キテますねこれ…。家誰もおらへんし…ちょっと周りに応援呼ぼかな…。」


「頭クラクラで立てん…。」


「ヘイここらいったい正念場、皆々行ったっきりの現場、さぁ俺はここで負けてられへんわ。」


と謎の韻を踏んで、自分の馬鹿さに気づいたぜ。


限界までゲームしてた俺がアホやったわこれはマジ…。まぁ建築も無事終えれたし、ええねんけど。


とりあえず例のグル、"春場帝国立舞(以下略"でグループ通話してみよう。



「やぁみんな。俺無事死んでますわ。」


『声からしてヤバそうだなホント、俺らとマイクラするからじゃねぇか!ワーハッハッハ」


『うるさいわね…ほんと。で景一、どうしたの?」


「いや…ね、実はまぁこの声通りなんやけど、夏カゼもきとるしクソたけぇ熱出てるねん。」


『さすが景一、そんなときでも電話はかかさない。」


「伊織よ…ちゃうねん…。応援を呼びたいんや…。」


『もしかして、家族出かけちゃったー?」


「全員俺をほって…まぁやから…誰か来てクレェ…。」


『すまんが、俺はバイトだぜ。夏の間だけプールの監視員的なやつ。」


『わたしー、ちょっとこの後家族で旅行いくからーマジごめん。」


『ボク…ずっと暇だからいいよ、景一のためなら。」


『私も…暇っちゃ暇だからいいわよ。」


「ありがとうマジで…。あぁいい友達を持ってよかったぜ…。なんかいい感じのもん買ってきてくれへんか…?金は今日でも払う。」


『了解。すぐいく。」


『わ…わたしも。集合してから行くね。」


「ありがとうよほんま…。」


もう…感無量ぜ…。死にそうな俺を助けてくれる友達をもてて…。


________20分後


ピーンポーン


「んぁ…、はー…い。」


あぁ…寝てた。うぅおまだフラフラする…。

来客のおでましらしいから…とりあえずドアまで…壁伝って…。


体全体に熱のときの独特の重圧を感じつつも向かうべきところへ…一歩一歩踏みしめてゆく。




やっと辿り着けた…。


一息ついてドアノブを握る。


「はーい…どちらさんでござ」


「景一!大丈夫!?助けに来たぜ参上!」


「わ…私もきたよ!大丈夫?」


「あぁ全然大丈」


目の前が暗くなった。おそらく倒れ…た……?



_________


「ン…んあぁ…。ここは…。」


「景一…!ここはお前の家だよ。大丈夫!?生きてる…!?!?」


「まぁかろうじて。」


「よかった…。倒れた時はどうしようかと。」


「意外とすぐ起きてくれて…助かった。」


「救急車呼ばんくてよかった。こんなんで大事にされても困るからな…。」


「そうそう、景一に買ってきたんだよ。」


と伊織の渡してくれた袋にはいろんなものが入ってた。


「ポカリに冷えピタ…、ウィンダーインゼリー…、ヨーグルト…。ありがとうホンマに…。」


「よかった…。」


「よし、ボクたちが看病するよ。任せて!」


「あぁ…お前らが…輝いてみえるぜ…。」


「ありがとよ!これくらいボク達に頼っていいんだよ!よしタオルと水の準備!」


_______


「わざわざありがとうよほんま。ちょっと死にそうやから寝させてもらう…じゃ…おやすみ……。」


「ゆっくり寝てね。看病はこっちに任せて…!」




「……。景一寝たかな。」


「すやすや眠ってるね。」


「……!!!ホントビビったんだから!」


「急にどうしたのよ伊織。」


「いやほんと、急にボクの…!胸の…!ところに倒れてくるんだもん…!!ボクこそ死んじゃうかと思ったよ!」


「ああ…なるほど。たしかにタコになりかけてたもんね。」


「んー!!!タコ言うなぁ!もう…でもこんな下心出してる場合じゃないくらい景一…しんどそうで…。」


「まぁでもこれ…自業自得だからね笑笑。」


「一時はどうなるかと…!景一が死んじゃったら…!どうしようって…!」


「いや熱じゃ死にはしないから大丈夫よ。心配性だなぁ景一のことになると…。」


「だってだってだって…!!もうボクも死んじゃうよぉ…、景一への…愛で…!!」


「よくもまぁそんな恥ずかしいことをここで言えるわね。」


「ま…まぁ景一寝てるし…?鍵塚だけだし…?」


「本人以外の前ではこんななのね。」


「仕方ないじゃない…。だって…大好きだもん!」


「私まで…恥ずかしくなってくるから…やめて…!」


「…、景一の寝顔…。やっぱりかわいい…!撫で下ろしたい…。あぁ好きぃ…やっぱ大好きぃ…!」


「もう私耳塞いどくね。こっちまでタコる。てか、これで景一起きてたらどうするのよ。」


「…ハッ!ホントだこんなに顔近づけてるのバレたら…!ァァァァァァもうだめだボク…。」


「もういっそのことキスしちゃったらいいのに…。」


「え…な、う…しちゃおうか…な……?」


「もう私は知らない…。後ろ向いて耳塞いどく。」


「…。もういい!景一が寝てようが起きてようがボクには関係ない…!しちゃえ…!」


ボクの唇を景一の口へと近づける。


葛藤が…ボクを押し潰す。もう頭がおかしくなってきてる…!


えい!



チュッ



してしまった…!ついに…!


「あ…あぁしちゃった…。ボクの…ファースト…キス…!」


「ヘヘ…景一、いつもありがとうね。大好き…!」


「ハァ…私はどうしたらいいんだろう。伊織、我に帰って後悔するんじゃないよ。」


「わかってるよ〜。もうボクは景一なしに生きれない…。あぁもうすきぃ…。」


「伊織の惚気解除は私には無理だ…。」



看病をしつつも伊織は景一に触れまくるという、普段ならできないことをたくさんした。


さぁいつ伊織の惚気がとけるのか_______



_____一方鍵塚はというと


「私はなんでこの隠れラブラブを見させられてるんだー!!!!!!」


悲痛の叫びを胸の内で行っていた。

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