本物の小説だった

答えの出にくいことをぐるぐると考えさせられた。
大人になるとはどういうことなのか。社会とは? 自分らしさとは? そういったことを。
この物語の主人公は善良な市民のありきたりな常識ではなく、独特の考え方を持っている。それなのにすごく共感できるし、うなずける。
それはいったいどういうところから来るんだろうか。自分に置き換えたり、社会に置き換えたりして、何かを読み解きたくなってしまう。

この物語を生きているこの主人公ならではの感情はとてもユニークで、よくこの感情の種類と出所を把握して文字としてつづれたものだと主人公に感心し、そしてこれこそ小説だよなあと思ってしまったのでした。

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