DESTINO CITY

うすい

バーテンダーと、普通の日常。

旧式レース

「それじゃあ、デスちゃんチップス12個と、バブリーキャンディ23本、ケラミルチキンを2kg、よろしくね」

「了解でーす。」

「買い出し、楽なんだけど、外うるさいんだよなあ。」

俺の名前はバーテン・スコフィー。つい5年前にここ、DESTINO CITYへやってきた。まあ、色々あってね。それはまたいつか話そう。今は、しがないBAR【Lack Baby】で働いている。

旧式のホバーバイク、D980に乗り、スーパーへ向かう。腕をトントンと2回叩き、曲を流す。

頭にカセットを入れているから、脳内に響き良く聞こえる。こんなに素晴らしい施術をしてない愚か者はきっとバパン人だろうな...。大金注ぎ込んだかいがあった。


スーパーに着き、お願いされた商品を買う。

「うわ、デスちゃんチップス今日2000円もするのかよ...まあ払うのは店長だしいっか...」

「合計72400円になriマ素。」

この治安の悪いDESTINO CITYではセルフなんてほとんどない。が、所詮雇われているのは旧式のロボット。ペッパーといったか?その系統らしい。殺傷能力はかなり高いらしい。

「腕をお出汁クダSAI。」

右腕を捲り頸動脈をロボに差し出す。

「スキャン中...注文が完了シマ下。又のオコシを。」


さ...バーに戻るか...。

今日も今日とて、この街は騒がしい。

どこにいようとも警報が聞こえ、ホバーバイクが追いかけっこをしている。

「待て!止まりなさーい!」

「止まらねえよ!オレが何したって言うんだァ〜!?」

「お前はケダココ法12条!『クロックスを履く時靴下を履いてはいけない』を破ったんだ!当たり前の処置だ!待ちたまえ!」

「くっそ〜!なんでバレたんだよ〜!!」

そういう犯罪者の足元をよく見てみると、クロックスの上から靴下を履いてペダルを踏んでいた。

フーリスも大変だなあ。こんなしょうもない法のために働かされて...

フーリスというのは、警察のようなもの。ここ、DESTINO CITYだけで活動している自治団体。

上層部は電子ドラッグに塗れて真っ黒。死んでも入りたくない企業第2位だ。

ちなみに第1位はD.O.G(ディスティニーオーガニズムガオガオ)だ。犬しか働いてない。だから給料も骨とか。


「待たんか〜!!!」

「待つもんかよォ〜!?俺はまだまだ犯し足りねえ法が沢山あるからなァ〜!」

2つのホバーバイクはとてつもないスピードで高層ビルの間を縫うように過ぎていき、次第には見えなくなっていった。


にしてもあのクロックス野郎のホバーバイク見た事あるな...まあいいや


早くホバーバイクに乗って...あれ?

ホバーバイク、無いやん...

携帯を取り出し、ホバーバイクの位置を確認する。現在ベアブック市付近...

あれ?さっきのやつらは..Destterを開き、呟きを確認する。


【ユタニア@Q◫◪❏❖】

『ベアブックでとんでもないチェイスしててネオワラvv』


【論理boy@Ё▂НЙ】

『ベアブックで今日もチェイス。ひとつのホバーバイクは旧式ってvvいつの貧乏人だよ。』


...完全に俺のじゃん。!

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