016 2人目の少女

「グギャアアアアアアアアア!!!!!!!!」


―バチチチチチチチチチチチチチチ!!!!


雷を落とす攻撃をしてくるイエローラプンツェル。

その稲妻をクリスタルブレードで弾く。


―バチバチバチバチ!!


「この剣、雷を弾けるのか…これなら…!!」


すると、クリスタルブレードの能力か、体が宙に浮き自由に動けるようになった。

僕はシンデレラを抱きかかえながら雷を避けていく。


そして『異次元の道具箱』から豪炎の猟銃を取り出して、素早く動くイエローラプンツェル目掛けて上空に打つ。

豪炎の猟銃からは炎の弾丸が打ちあがり上空の雲に消えていく。


「グギャアアアアアアアアア!!!」


激しく威嚇をしてくるイエローラプンツェル。


「ああ、わかってるよ、この程度の攻撃じゃ意味ないことを!!こっちだ!!ついてこい!!」


僕はそのまま宙を移動してイエローラプンツェルを呼び寄せる。


―ゴゴゴゴゴゴゴ


黒い雲は雷雲になっている。

バチバチと稲妻が発生し始めた。


「グルルルル……」


イエローラプンツェルは空の雷雲を警戒している様子を見せた。


「もう、遅いぜ……」


僕は雷を帯びた『雷槍ケラウノス』を空、イエローラプンツェルと対角線上になる場所の地面に投げつけた。


「天候に対抗するのは、天候だ!!!!」


『豪炎の猟銃』の攻撃はお前に当てるためじゃない、空を熱して上昇気流を作るためだ。元々雲が覆っている空だ、雷雲ができやすくなっていた。

そしてその雷は自然の超エネルギー。避雷針にもなる『雷槍ケラウノス』がその雷をお前まで導く。


勢いよく投げつけられた槍は地面に突き刺さり、空にたまりにたまった膨大な雷のエネルギーが『雷槍ケラウノス』目掛けて落ちてきた。

その線上にはイエローラプンツェルがいる。


光の速さだ。お前も逃げ切れない。


「グギャアアアアアアアアア!!!!!」


―バチチチチチチチチチチチチチチ!!!!!!!!!!!


―ズドドドドドドドドドド!!!!!!!!


大きな雷は龍の纏うすべての雷を相殺した。辺り一面が吹き飛ばされた。

焦げて煙を放つそのイエローラプンツェルにめがけて飛んでいく。


「これで、終わりだああああああああああああ!!!」


クリスタルブレードでイエローラプンツェルを真っ二つに切り裂いた。


―ザンッ!!!!


「グギャアアアアアアアアア……アアア…アア…ア…!!!」


真っ二つになった龍は光となる。

上空の空は晴れて青空と太陽の光が差し込んできた。


キラキラ光る結晶は一つにまとまり出して、1人の少女へと姿を変えた。


「やっぱりか……」


僕はその少女が空から落ちるの受け止めて、ゆっくり降下していく。


クリスタルブレードは自然とシンデレラの胸に戻っていき、またガチっと鍵がしまったようだった。


「う、うーん、ウィル…」


「シンデレラ…よかった……」


「その子は…」


シンデレラは僕のもう片方の腕に眠っている女の子に目を向けていた。

地面に付きそうなくらい長い黄色い髪を持つ少女。歳は僕よりも1個か2個くらい上くらいの見た目をしている。


シンデレラといい、この七幻龍っていったい何なんだ?


「ねーーーー!!!みんな!!!大丈夫ですかーーーー!!!!」


そこにソフィさんも駆け付けてきた。


「ソフィさん…よかった、無事だったんですね…」


「な、何とか私は大丈夫ですけど、…本当にあの龍倒しちゃうなんて…本当に凄いわ……」


「いや、シンデレラのお陰ですよ」


シンデレラを見るが、何があったのか覚えては無さそうな雰囲気。

ただ、疲れてしまった様子だった。


「う、うう……」


そしてイエローラプンツェルから少女になった子も目を覚ました。


「ここ、どこ?………」


「目が覚めたか…君の名前は…」


「え?私?わたしは………」


数秒、目が泳いで自分が誰かを思い出している様子。


「そうだ、私はラプンツェル!!ラプンツェルよ!!」


そういってその子は元気よく立ち上がった。


「な、なんですの?この子は…」


「いやーなんでしょうね…あはは」


ソフィさんがかなり驚いている。説明しても信じてもらえるだろうか。

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