いらないときいるときたべるとき

 圧巻の文章力と構成力。ずば抜けているとはまさに本作のためにある言葉だ。
 親の愛をありがたく思いつつもそろそろ独りだちしようとする主人公の心情が、段ボール箱に象徴される様々な演出で巧みに表現されている。主人公のいらだちめいた感情が、本人が真剣なだけに微苦笑を誘ってしまう。
 そこから一気に、かつ一層筋を盛り上げる筆致は見事としか言いようがない。
 必読本作。

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