第6話 ~愛~

僕は野良だ


好きに走る

好きに寝る


僕には友達がいる

僕と同じ黒猫のクロ


とても綺麗な声

ブルーアイズ

とても美人な地域猫


クロはいつも頑張ってる

悩む事が多くても

いつも前を向く


僕はクロが大好きだ

お話して応援してる


クロは皆から愛されていて

中でも二人の人間から

とってもとっても愛されている


太陽みたいに見守る人間

豪快に笑って応援する人間


僕達がお喋りしてると

二人は近くに来てくれて

クロをものすごく可愛がる

僕にも優しくしてくれる


クロは二人から 皆から

文字通り 猫可愛がりされて

とても嬉しそうだ


ああ 楽しいな

クロが嬉しそうで

僕も嬉しいな


そんな光景を見上げて

たまに思うんだ


どうして僕はいつも

一番に愛されないんだろう


どうしてかは解ってる

僕には魅力がない


クロはその声で

皆を幸福にできる

僕はどんなに頑張っても

狩り以外に何も出来ない


二人が僕に優しくしてくれるのは

クロと同じ黒猫だからだ


主様は狩りをする僕を

たくさん褒めてくれるけど

僕を好きかどうかも解らない


僕の存在は

珍しがられたり

頼られたり

いじられたり

それだけ


助けて 助けて 主様

そんな事言えない

伝えたくない

ああ 泣きそう


でも僕は野良だ

愛されないのは

当たり前


そう 当たり前


僕は黒猫だ


日陰で休む存在

だから、いいの


僕は主様を大好き

それだけでいいの

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