第2話 マイマイそっくりの美女……✨✨💕

 ボクは夢を見ているのだろうか。

 それとも幻影まぼろしなのか。


 一気に目の前のお茶を飲んだ。

 


「ふぅ〜……」深呼吸をして落ち着き、もう一度、麻衣子の顔を確かめた。

 

 やはりそこにはアイドルのマイマイそっくりの美女が座っている。


 いつも座る妻のトコロだ。長い脚を組んだまま多少、上から目線でボクを見つめている。見慣れた眼差しだ。



「どうかしたの……? あなた」

 彼女は、少し困惑気味に小首を傾げた。



「えッ、いや、別に……!!」

 ドキッとして視線を逸らせた。


 なんて可愛らしい仕草だろう。

 まるで少女のようにはかなげな笑みを浮かべている。

 

 アラフォーの麻衣子が、こんなに可愛らしいはずはない。

 もちろんアラフィフでも石○ゆり子や永○博美みたいに可愛らしい女優もいるが。


 ウチの奥様の麻衣子は、もっとウエイト同様ふてぶてしく厚かましい。



「ン……!!」

 ボクの目が、どうかしたのだろうか。

 目蓋まぶたをゴシゴシと擦ってみた。

 しかし夢でも幻覚まぼろしでもない。



 どうやら現実のようだ。



 必死に思考をまとめようとするが、頭の中が真っ白になり何も思い浮かんでこない。



「あ、あのォ……、髪の色、変えたのかな」

 取り敢えず、ボクは当たり障りのない会話をしてみた。


 確か、昨日まではもう少しの落ち着いた茶髪だったような気がする。

 今はどちらかと言えば金髪に近い茶髪だ。

 金髪同様、今夜の彼女はヤケに眩しい。



「ちょっと明るくしたの。似合うかしら?」

 彼女は少し照れ笑いした。見せつけるように金髪をきあげた。

 


「うン、とっても似合ってるよ」

 一緒にいるだけでドキドキしてくる。


「今日、リサイクルしてもらったのよ」



「えェ……?! リサイクル」

 チラッと、テーブルに置かれたチラシを見つめた。

 リサイクルで新品同様と書かれてあるが、もはやリサイクルと言った種類たぐいではない。原型をとどめていない。

 まったく別の新製品だ。



「ねえェ……、お風呂、いてる?」

 不意に、立ち上がってボクへ訊いてきた。



「えェ……!! おッ、お風呂入いるンですか」

 驚きのあまり声が、ひっくり返りそうだ。










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