第7話 ジェリーが死んだ⑦

可愛らしい2匹のリスが楽しそうに戯れている。その姿の上に、ある言葉が並んでいた。

Thank You!

厚かましい話だが私にはジェリーからのメッセージに思えた。こんな私にまだお礼など言ってくれるのか?私はミルクティーのペットボトルを両手で優しく挟み込んだ。

ジェリー、それはこっちのセリフだよ。

堪えきれず目頭を押さえた。


火葬場のスタッフが呼びに来てくれた。私と娘はジェリーの骨を受け取りに行った。

ジェリーは白っぽい骨になっていた。横たえたられたその形のまま骨が並んでいた。スタッフが骨の説明をしてくれる。ジェリーはその犬種にしては大きかった。そのため骨格もしっかりしていたのだろう、大きな骨を始め、骨が残っている方なのだと言われた。


説明を受けながらスタッフから箸を渡されて私と娘は大きな骨を骨壷に収めていった。そしてジェリーの頭蓋骨。可愛らしいアップルヘッドそのままに綺麗に骨が残っていた。

「良かったら手で待って骨壷に入れてあげてください。」

前に別のペットがお世話になった時にはかけられることはなかった言葉。思いがけないことに目を見開いた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る