第1章 第7話

 なかなか眠ることが出来ず、時計を見ると深夜0時を過ぎていた。輝夫は窓のカーテンを開けて前庭を見た。星の明かりが前庭を照らしていた。三本の木は薄暗い庭の中で暗いぼやけた輪郭を見せていた。カーテンを閉めようとした時、肌色の光が一瞬輝いた。輝夫は目を凝らして三本の木の方を見た。向かって左側の木の幹に肌色に光るものが見えた。その肌色の輝きはだんだんと輝きを増していった。輝夫は階段を降りて玄関を通りその木に向かって行った。

 幹に肌色に光る部分がある木の間近に輝夫は立った。何と美しい光なのだろう。輝夫はその光の美しさにうっとりしてしまった。その光るものに触れようと足を踏み出した瞬間暗闇の中を物凄い速さで上昇して行った。時々あの美しい肌色の光に全身を照らされた。

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