第4話 かぐや姫

ある日ある時ある場所で老人と姫の話


ある日じいさんが裏山へ行くとひかり輝く筒状の物があった。恐る恐る近寄ると中に人影が見えた。

突然筒が開き中から美しい女性が出てきました。

「そこのおじいさん どうか訳は聞かず私を養ってはもらえないでしょうか? お礼はいたします。」

「う〜ん 困っているようじゃしええよ」

子どもに恵まれなかったおじいさんは悩みつつも受け入れるのでした。


「亡くなったばあさんの服を使うとええ」

「ありがとうございます」

家に連れ帰ったじいさまは服と食事を用意し、今後のことを考えるのでした。

そんな時女性はおじいさんに言いました。

「奥の部屋をお借りできますか?」

「好きに使うとええ」

「ありがとうございます 暫し籠りますが中は覗かないでくださいね」

そう言うと部屋へと籠もってしまいました。


翌朝部屋から出てきた女性は、おじいさんに家具を渡しました。

「これはお世話になるお礼です」

何処からともなく用意された家具は見たこともないほど立派で、不思議に思いつつも詮索はせず家具を売りに出すのでした。


おじいさんは家具屋となり、女性は看板娘として皆から【家具屋姫】と呼ばれるようになりました。

ある日の事、おじいさんはずっと我慢していたのですが、ついに部屋の中を見てしまったのです。

「なんじゃこれは……」

「ああ……ついに見られてしまった」

そこにはあの時見た筒に似た物があり、何かが動いていたのでした。


「私は未来の世界からの逃亡者だったのです おじいさんに見られたことによりここには居られなくなりました 今までお世話になりました」

「何を言っているのかわからんが……見てしまった事は謝るし忘れるから何処にも行かんでくれ」

「残念ながらそれは無理です さようなら」


出会ったときのように再び筒に入った姫は消えてしまいました。


解説

ご存知かぐや姫と鶴の恩返しのミックス的な何かです。

とある事情により未来から過去へ逃亡した女性は、歴史に深く関与しないように気をつけながら身を潜める必要がありました。家具のデザインや性能は、ギリギリを狙って作成。ご都合主義の万能筒で全てが解決!

しかし、おじいさんに見られてしまうと不都合な真実が記憶として残り、おじいさんの記憶を消し再び逃亡するしかないというザックリ裏設定です。

科学の力で迷彩でも何でも出来そうだし、記憶改竄できるならやり放題とも思えますが、子どもたちへのでっち上げ話なので、設定の作り込みはしてません!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る