愛を追い求め、愛の音を聴く物語

本作の主人公アイネは大帝国の女帝の娘であり、その偉大過ぎる母に対して次期皇帝として劣等感を覚えていました。アイネは失踪した母の姿を追い求めて冒険する中で、彼女を慕う人達との触れ合いを通じて大きく成長していきます。

一番の見どころは、タグにもある通り、アイネちゃんかわいい!です。ツンやさで人たらしな頑張り屋の彼女が悩み奮闘する姿は、まさにかわいいの一言に尽きます。しかしながら、シリーズ全体のテーマが「死と愛」でありますので、ただほのぼのとアイネちゃんを愛でるだけでは終わりません。表面上はゆるふわな優しいテイストでありつつも、死と愛のあり方について深く考えさせられる内容なのです。

物語の本筋は母の失踪の秘密を解き明かすことですが、彼女の精神状態と深く関わる形で歌や音の喪失や声フェチ(コレハチガウ?)といったエピソードがあり、アイネの名の通り「愛の音」を探し求めるお話とも言えるでしょう。また、他章と絡めて緻密に伏線が盛り込まれておりますので、考察好きの方には特にオススメです。そのように細部までこだわり抜いた設定も含めて作品をご堪能ください。

なお本作は、ほのぼのバイオレンスラブストーリー「みんな死ぬ」シリーズの第4章ですが……この章は少々趣が違っており、グロ描写や精神をゴリゴリ削る描写もなく、良い子も安心の内容となっています。1~4章のどこから読んでも良いそうですので、みんな死ぬ初見の方はこのマイルドな4章から入られることをオススメします。

さあ皆様もぜひお読みになって、一緒にアイネちゃんかわいい!しましょう!

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