第1章 7話
「――そろそろ反撃させてもらいます!」
告げて、俺はアレスの剣を大きく弾き、
「ハァァアアアア!!」
自分の刃を、
『決まったの!?』
『完璧に打ち下ろしやがった。……こりゃもう、決まりだろ』
『嘘だろ……闘神であるアレス様が、人間なんかに』
『油断したんでしょ。それ以外ありえない…』
『………いや!あれを見ろッ!』
予想外の展開に、
俺の握る刃がアレスの右肩に打ち下ろされ――そこでアレスの躰が
「ッ!?」
瞬間、唐突に殺気が左脇腹に向かって飛んでくる。
アレスが俺の脇腹目掛けて剣撃を放ったのだ。
「まさか、剣の柄で防がれるとはな……」
「………やっぱり、そう簡単にはいかないですか」
――危なかった。変則ガードが間に合ってなかったらやられてたな……
俺は大きく後ろに跳び、アレスとの間合いを開く。
「――【天衣無縫】か、良い技だな。……ではこちも少し見せることにしよう」
そう言った
「っ!?」
「これは闇の上級魔法の【残影分身】というものだ」
驚く俺にアレスがそう告げてきた。
――闇魔法ってそんなのまであんの!?
俺は内心動揺しつつ、この試験の審判をしてくれているフィリアへと視線を向ける。
「フィリア、あれってアリなのか?」
「……ええ、【残影分身】は攻撃魔法じゃないからセーフよ」
「………そうか」
――闘神十人を相手にするのはさすがにムリだな……
「さあ、どうする?」
「………」
あれを使うしかないか。
「通常、一対一が精一杯の相手を同時に複数人相手にすることは出来ない。一人の敵に攻撃を仕掛ければ、残りの敵からの集中攻撃を喰らってしまう。だから…考えた。大勢の敵を一度に倒すにはどうすればいいかを。――今、ここにその答えを示します」
鋼の剣の切っ先を持ち上げ、
「―――――ッ!」
それと同時に【身体強化】で全身に巡らせた魔力を強め、雷魔法で躰の摩擦を減らし、一番近くにいるアレスのもとへと走る!
自分と同等かそれ以上の敵複数人を同時に相手にするのが不可能に近い理由、それは一人に攻撃を仕掛ければ同時に他の敵から攻撃を受けてしまう可能性が高いからだ。なら敵全員が対応できないほどのスピードで一人ひとりに確実に攻撃を入れればいい!
「第七秘剣―――
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