第43話 エピローグ

 それからの1年は駆け抜けるように慌ただしく過ぎて行った。仕事終わりに二人で食事をしたり、休みにはデート。時々、伯爵夫人としての勉強をしに伯爵家へ行ったり、お義母様とドレスを決めたりした。

忙しい中でも時間を割いて会おうとしてくれるターナ様。 


ある日、ターナ様と一緒に王宮の舞踏会へ出たわ。


ターナ様は変わらず私に優しい。


私とダンスを3曲踊ったわ。ダンス中も優しく話しかけてくれるターナ様。私はとても楽しくて、嬉しくてふわふわな気分になったの。


これが幸せという感情なのよ、ね?


記憶の隅に追いやられていた感情。ちょっと恥ずかしいけれど、甘くて、柔らかい感じ。



 ターナ様の姿を見た令嬢はターナ様に近づきたくて取り囲むけれど、そんなご令嬢に凍えるような視線で追い払っていた。それでもしつこい令嬢には『俺は隣にいる婚約者にしか興味は無いんだ。邪魔しないでくれるかな』と直接断っていたわ。


自分に擦り寄ってくる令嬢達が嫌いなのね。ダンス後にバルコニーへ出てからは『あいつら香水臭い臭い!薬草を擦り込んだ方がマシだ』と涙目で話していたわ。そんな姿も可愛く感じてしまう。









 今日は待ちに待った結婚式。学院の同級生や同僚。カイロニア国の薬師やタイラー侯爵からも祝福の手紙が届いた。


幸せ。


本当に幸せなの。


「トレニア、生涯君だけに愛を誓う。愛しているよ」


「ターナ。私も愛しています」



【完】



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トレニアを応援して下さった皆様。本当に有り難う御座います。。゚(゚´Д`゚)゚。

無事にエピローグまで休む事なく終える事が出来ました!

ほんのちょっとだけトレニアが不幸な目にあって、ちょっと婚約者達がざまぁされれば良いかな?位で書き始め、気がつけば、人生の凹凸に翻弄されるトレニアになっていました。Σ(゚д゚lll)

そして思いの外、トレニア自身よりも読者の皆様が婿選びに慎重になっていて驚きました。

最後にぱやぱやのトレニアに気付かせず、急がせたプロポーズ。あぁ、理由をすぐにでも語りたい!なんてちょっと思ってたりもしました。振り回してすみません。_:(´ཀ`」 ∠):


補足説明ですが、背景に長男長女信仰や男性優位社会があります。そのためトレニアの方が優秀でも侯爵家は姉が継ぐ器でなくてもその子供に継がせるようになっています。

婚姻に関しても家同士で決定する事が多く、男性側が娶るという考えが根強くあります。


因みに…卒業した後、クラスメートがよそよそしかったのは薬師達が影で牽制してまわっていたようです。


25日間お付き合い頂き有難う御座いました!

ターナと過ごすトレニアの様子をエピローグ後に1話アップする予定です。(*´∇`*)

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