無能と言われ追放されたスキル「ステータス調整」が最強すぎた件

おざごん

第1話 成人の日、そして追放

「アルト!誕生日おめでとう!!」


俺、アルトは今日で12歳の成人を迎えた。

俺は田舎の貴族の4男でこれから成人の儀を行う、成人の儀では神から固有スキル又は職が与えられ、そのスキルや職によって将来がおおよそ決まる。

貴族の生まれで、剣士系のスキルや剣士などの職を与えられれば騎士学校に行き剣や座学を学ぶ。魔法系のスキルや魔法使いなどの職を与えられれば魔法学校へ、他にも農業や経済、生産系などの学校があり大体の貴族はその学校に通うことになる。

一般市民の場合は限られた職業やスキルを与えられると稀に学校に通うことになったり、冒険者や何かしらのお店や生産職のものに弟子入りすることがマストである。


うちの家系は市民からの成り上がりで、お爺さまが剣聖の職を与えられ、戦争やモンスター討伐で数々の実績を残し貴族となった。

かく言うお父様も剣豪、お兄様方も皆剣士、槍使い、剣豪の職を与えられている。

俺自身、幼少期から剣術の練習を頑張ってきたので、できれば剣豪や剣聖の職、ダメでも剣士にはなれればなと思っている。


剣士や剣豪などの違いは初期のスキルレベルや成長率に違いがあり、一応修練を積めばどのスキルも覚えられると言われている。


「神父様、お願いいたします、、、」


俺は神に祈りをささげる。

そして体が発光しスキル又は職が発現する。


神父「アルト様の、、固有スキルですね、、スキル名、、ステータス調整、初めて見ましたね、成人おめでとうございます」


「あ、ありがとうございます、ステータス調整とはどう言ったスキルなのでしょう?」


「申し訳ございません、前例がないもので、おそらくステータスなどを調整できるのかと、ステータスと唱えてみてください、自分のステータスやスキルを確認できます」


俺はステータス、と唱える。

アルト Lv.08 12歳

攻撃力 19

防御力 17

俊敏性 15

知力  15

器用さ 20

運   78

スキル 剣術Lv.03

    体術Lv.02

固有スキル

ステータス調整

…ステータスの値を調整できる。

攻撃力を2減らし防御力を2上げるなど。


「なるほど、ありがとうございます」


「いえいえ、全体的に高いステータスに圧倒的な運、剣術を剣士職ではない方がレベル3まで育てているのも素晴らしいです、あなたに神のご加護があらんことを…」


俺はステータス調整のスキルを手に入れたのであった。

帰宅し家族の前で発表する。


「アルト、なんと言った…?」


「ですので、ステータス調整です」


「そうか、、、アルト、すまないが剣士職になれないものを学校に通わせる余裕がないんだ。金貨5枚用意するから、用意を済ませて王都に出向き冒険者になってくれ…」


貴族と言っても2代目、何か実績を残したわけではないしお金があまりないのだろう、父は悲しそうにそう伝えてきた。金貨5枚も用意してくれたのもかなりの額だ。

(日本円で言うと50万ほど)

「ありがとうございます、父上、母上、お兄様方、今週中に準備を済ませ、冒険者として励みます、これからはアルト・ノイシューガルではなく、ただのアルトとして頑張ってまいります。お世話になりました。」


こうして俺は冒険者の道に進んだ。

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