人魚と人を隔てるものは身分や種族だけなのか

海の中から愛する王子を見つめる人魚。
誰もが知っているであろう『人魚姫』の童話。
そして誰もが知りうる通り、童話は悲しい恋と共に泡となり消えていく結末を迎えます。

ではこちらの主人公は?
可愛らしい天真爛漫な人魚のエレオノーラ。
彼女も同様に憧れと恋心を王子様へと抱いていきます。
きらきらと光り輝く海の世界が鮮やかに美しく描かれる中、彼女もやはり人となり王子の傍にありたいと願い、その術を手に入れていきます。
人間の足を、自らで陸を歩くことを手に入れた彼女は同時に知っていくのです。
陸での自らの立場、限られた時間。
綺麗だと思っていた世界は、角度によって暗い影をも含んでいるのだということを。
そしてそれを知りながらも、真っ直ぐな心と人を思う優しさで彼女は自らの決断と行動で前へと大切な人を守るために一歩また一歩と進んでいくのです。
そんな彼女の思いは届くのか。
恋を叶え、愛する人の隣で微笑むことが出来るのか。
ぜひその彼女の決断の行き先を、あなたに知ってほしいと思うのです。

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