猫が、犬が、じゃ無くて何故か美少女拾いました。.....嘘だろお前

アキノリ@pokkey11.1

第1章 貴方に出会った日

1000万の借金

第1話 借金+夜逃げ+美少女=???

桜もとっとと散った様な感じの桜町。

そんな町の名前の通学路になっている桜ヶ丘住宅街。

その住宅街にて俺、伊藤日光(いとうにっこう)17歳。

黒髪、身長175センチ、成績普通。

そして彼女無し。


段ボールにわざわざ入って.....じゃ無い。

その段ボールで造った様なハウスに入った美少女を拾った。

髪の毛の色は黒髪でポニテ、そして黒縁眼鏡の泣きぼくろ的な。

超美少女だが.....何だこれ?

俺に言われてるのかこれ。


「.....すいません。お腹が.....ご飯下さい」


「.....誰.....?」


「.....私、捨て美少女です」


「ねぇよ。何のこっちゃ。お前誰だ。帰れよ?」


「.....桜ヶ丘桜子です」


「自己紹介を求めてねぇよ?」


通学鞄を背負い直す。

俺は眉を顰めながら.....目線を合わせた事を後悔した。

この少女.....の制服はこの町のものでは無い。

どっから来たんだよ.....、と思いながら美少女に向く。

そして大きな胸を見ない様にしながら上に向いた。


「.....桜ヶ丘。帰れ。家に」


「.....私は家なんか無いです。なので養って下さい」


「ぶっ飛び過ぎて話にならないんだが。.....何でだよ」


「.....私は.....親に夜逃げされました」


「.....」


これは困った。

冗談なのか何なのか。

警察に連れて行くか?

思いながら俺は.....桜ヶ丘を見る。


そして取り敢えず電話をしてみる。

電話先は俺の両親。

困ったので、だ。


「もしもし。母さん。美少女が何か.....ご飯を食いたいって言ってんだけど」


『え?美少女?.....え?』


そりゃそうなる。

いきなり変な事を言われたら大体の確率でこんな返事になる。

思いながら俺は溜息を吐く。

いや。ごめん。

と言いながら俺は母さんに話した。


「やっぱりいいや。ゴメンね。母さん」


『良いわよ。今日?』


「.....いや。良いのかよ」


俺は驚愕してツッコミを入れながら電話を見る。

母さんは、昔の私の事を知っているでしょ?日光、と語る。

いやまあそうだけど。

知っているけど良いのかよ。

同級生っぽくてしかも美少女だぞ.....良いのか。


『まあ取り敢えず家に呼んじゃいなさい。それから警察に行くか話をするわ』


「.....わ、分かった。じゃあ取り敢えずは.....」


電話を切りながら俺は桜ヶ丘に向く。

それから溜息混じりに話す。

桜ヶ丘。取り敢えずは家に来て良いぞ、と話す。


すると桜ヶ丘はモジモジしていたが、え?本当に?、と話してくる。

それから目を輝かせて段ボールをその場に殴り捨てた。

そして俺の手を取る。


「じゃあ.....お礼は私とのセッ◯スで?」


「.....いや.....え!?.....え!!!!?勘弁してくれ!?」


「.....じゃあ.....何をあげれば?処◯膜?」


「馬鹿野郎かお前は。.....そうだな.....」


「じゃあ恋人で」


何言ってんだこの子は?

まだ何も言ってないだろ。

思いながら黒縁眼鏡を上げる少女に赤面する俺。


それから俺に寄り添ってから.....目の前に飛び出る。

日光さんに出会って良かったです、と言いながら。

俺はその姿を見ながらまた盛大に溜息を吐いた。


「私と恋人ですね。それが恩返しです」


「.....それは偽りだな?良いか?」


「偽り?.....いや?そんなつもり無いですよ?マジに好きになります」


「何でだよ!!!!!」


17歳日光。

俺。初めて彼女出来る。

最悪な状態から、だ。

思いながら俺はくっ付いて来る少女を振り払う。

そして少女は荷物を持ってから俺に駆け寄って来た。

俺は赤面する。


「いやいや!あのな!」


「だって彼女です。貴方の」


「.....勘弁してくれよ.....」


段ボールをゴミ置き場に片してから俺に手を広げて飛行機みたいな感じで再度、寄って来てから回転する。

そして笑顔を浮かべて眼鏡を掛け直してから、お家何処ですか?、と聞いてくる。

俺は、まあこの先だけど.....、と言いながら何もない気さくな感じで俺の腕に絡みついて来る歩く桜ヶ丘を見つめる。


困ったもんだな......何でこんな事になっちまったのやら。

この美少女.....頭おかしい。

いや、マジに。

俺は思いながら盛大に溜息を吐いた。


「.....お前さ。実家はどうした」


「だから夜逃げです。.....借金押し付けで、です」


「.....は?借金?それは.....幾ら?」


「丁度1000万円です」


「.....嘘だろお前.....マジか?」


マジですね。

と言いながら笑顔を浮かべる桜ヶ丘。

そしてニコニコする。

俺は怒りが込み上げた。


1000万の到達する分の消費者金融とかの借用書を見せてくるそれでも笑顔が絶えない桜ヶ丘に、だ。

それから、お前な、と話す。

そして激昂した。


「何でそんなニコニコしてんだよ!」


「.....え?だって借金どうしようも.....」


「悔しく無いのか!?馬鹿なのか!?ニコニコするな!!!!!」


「.....!」


驚愕なのか分からないが目を丸くする桜ヶ丘。

それから真剣な顔で見る。

しかし桜ヶ丘は更にニコニコし始めた。

そして、私に怒ってくれるんですね。初めてです、とニコッとする。

俺は驚愕しながら愕然とした。


「.....有難うです」


「.....お前.....」


「私は.....全然気にしてないです。.....これから返していくつもりなので」


「.....いや。何でだよ。笑うなよ」


「.....何で、と言われる方が何で、です。.....だって人間笑わないと.....死にますよ」


「.....」


意味が分からない。

俺が言いたいのはそれでは無い。

なのに.....。

と思いつつその顔を見ながら.....唇を噛む。

何とも言えない感情だった。


そして.....先に走って行く桜ヶ丘。

俺はその姿に盛大に溜息を吐く。

それから歩き出す。


これが.....借金塗れの家族に夜逃げされた桜ヶ丘と俺との初めての出会いだった。

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