笠に隠れて

芥葉亭子迷

光に消ゆる

僕が僕でいるのが嫌な日

消えたい日 死にたい日

今なら静かに逝ける気がする


自分が自分でいるのが辛い日

とても寂しい日


きっとこの曲がダメだ

雨は寂しくなる

君がいなきゃ死んでみせるのに


終わりたい

ここらで終わりたい

何の期待もしていないし

どんな理も興味がない

何も僕を生めることがない世界で

無駄に生きていることのしんどいことよ

ここいらで終わりたい

終わりたいと思って結局何年経っただろう


無駄に生きて 無駄に恥をかいて 無駄に飯を食って 無駄に寝て 無駄に怠惰に人を追いかけて

しんどい

還りたい

誰か還っていいと言って

死んでもいいと言って

頑張ったねと褒めて

それで死にたい

終わりたい


この雨が止むまでに消えるから

静かに安らかにさらさらと消えるから


誰の糧にもならずに

灰になって消えるから


はらはらとふる雪のように

少しだけ街道に染みを作って留まって

いつの間にか消えてみせるから

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