軽いタイトルながら、涙を誘われる作品です。

今は亡きご両親の想い出を綴る作品となりますので、出だしからどう書いたら良いか悩み躊躇しておりました。あえて、あまり重くならずに書かせていただきます。ご容赦ください。
 
「最後の晩餐」は何を食べたいですか?
 
私なら七味を味わう為の鋏が必要なもの。そんな囁きが届いてきそうです。
 
人は老いるほど我が儘な人が多いと聞きます。「介護鬱」はけっして他人事でなく、深刻なものと思えてくる。私も両親を亡くした立場です。愛する両親のおくり人の立場なら尚更となります。

でも、作品に登場するご両親の大好物が「赤と緑」のメニューだとお聞きして、微笑ましくなってきました。さらにはこんな夫婦が羨ましくなります。
 
エンディングの最後の晩餐となり、鈍感な私でもようやく「鋏の謎」が解けました。七味が無ければ始まらないメニュー。なるほど、豪華料理ではないけど、最高のご褒美であったことでしょう。

きっと、ご両親も黄泉の國で「ありがとう」と笑っています。