23日目 レシピ

 かぼちゃの煮付けを温め直しながら、私はさっと味噌汁を作る。煮干しの粉末で出汁を取って漉したりしないでそのまま実を入れる。今日はなめこと油揚げ。油揚げは冷凍庫で眠っていたいつ冷凍したかもよく分からないやつ。味噌を溶かして味をみる。あたたかいうまみが広がってほっとする。

 これもいつからあったのかよく分からない、干物をグリルで焼いているとジュッと油が落ちる音がする。てかてかの油がぐつぐつと泡立っているくらいあつあつのを取り出して、いただきます。

「おぬしはうまそうにものを食べるのう」

 おじいちゃんは私が細々した家事をするのを見ているのが好きだ。見ているなら手伝って欲しいけど、まあ鍵の細腕(?)では無理なのは分かっているから、仕方ないよね。

「私、人付き合いも掃除も洗濯も好きじゃないけど、料理だけは昔から好きだった」

 おいしいものを作っておいしいものを食べるのが好きだ。これはおそらく母譲りで、母はよくある美しい物語のようにレシピを遺したりはしなかったけど、私が作るものはどこかしら母が作るものに似ている。

「食は基本だからのう。大事にするのは、良いことじゃよ」

 おじいちゃんの言葉に、そうだねと私は素直に頷く。

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