11話. 新たな朝
「カラン、カラーン」
俺はローランド教会の鐘の音で、目が覚めた。ベッドの横にあった時計を確認すると、07:00だった。そしてソフィアを起こすためにソフィアの方を振り向くと、ソフィアの寝姿がとてもエロかった。ソフィアが着ていたパジャマは半開きになっていて、可愛いい下着がチラリと見えた。
俺は一度動揺したが、気を取り直してソフィアの肩を優しく叩いた。
「ソフィア?朝だよ」
すると、ソフィアは目をそっと開け、半開きのまま体を起こした。
「ん?お、おはよう、カズマくん」
「お、おはよう、ソフィア」
俺はソフィアの今の姿にまた動揺してしまい、変な声になってしまった。そして、ソフィアに教えてあげた。
「ソフィア、ちょっと、服、服!」
「服??」
ソフィアは一旦戸惑っていたが、自分の格好を見てやっと気付いた。
「あ!こっち見ないで、カズマくん」
「ご、ごめん!」
俺はとっさに謝った。すると、ソフィアは自分のパジャマのボタンを閉めながら、許してくれた。
「う、うん」
「じゃあ、私、朝ごはん作るからカズマくんはここに居ていいよ」
「いや、俺も手伝うよ」
「そう。ありがとう。じゃあ、お願いね!?」
「うん」
そして、俺はソフィアと一緒に朝食を作ることになった。
俺とソフィアはベッドから立ち上がり、一階のキッチンへと降りて行った。キッチンでは昨日の残りのクリームシチューが少し残っていた。
「今日は、残りのクリームシチューとパン、スクランブルエッグにしよ」
「うん。じゃあ、俺はスクランブルエッグを作るよ」
「分かった。じゃあ、私はパンとクリームシチューを温めるね」
「了解」
俺はソフィアの提案を受け入れ、役割分担をした。
俺はまずフライパンをコンロにおいて、火をつけた。そして、フライパンの上に卵を3個割り、スクランブルエッグを作り始めた。一方で、ソフィアはロールパンを3つ袋から取り出して、3枚の皿の上に置いた。そして、昨日の残りのクリームシチューをもう一つのコンロに置き、温め始めた。
俺が調理していると、ソフィアが俺の調理の腕前にコメントしてきた。
「上手だね、カズマくん。普段から料理してるの?」
「ありがとう。いや、たまにしてるだけだよ」
「たまに??それにしても、かなり上手だね!?」
「ま、まあね」
ソフィアは俺の回答に目を丸くして驚いていた。そして、俺も照れくさくなった。
俺はスクランブルエッグを作り終えると、ソフィアに皿を取って貰らうように頼んだ。
「ソフィア、ちょっとお皿を三枚取ってくれる?」
「良いよ」
ソフィアが皿を取るために後ろを振り向くと、階段のところにエリナが立っていた。そこでエリナは何か考え事をしていた。しかし、俺はスクランブルエッグを皿に盛り付けていて気付かなかった。
「エリナちゃん、おはよう」
「おはよう、エリナ姉。それと、カズマも」
エリナの俺への挨拶を聞いて、俺も後ろを振り向き、挨拶した。
「おはよう。エリナ」
「カズマ、朝ごはんは?」
「今、やってる。もうできるから待ってて。それとソフィア、クリームシチュー温まってるよ」
「ごめん。分かった。今行く」
今朝のエリナは俺に対して普通に接してくれた。
謎だ。何かあったのか?昨日の態度は一体なんだったんだろう?
俺はエリナの俺への接し方について頭を抱えていたが、結果何も分からなかった。だから、俺は忘れることした。ソフィアがコンロの火を消し、器にクリームシチューを装うと、俺とソフィアは朝食をダイニングテーブルへと運んだ。同時にエリナは席に着き、俺とソフィアが席に着くまで待っていた。
「じゃあ、食べようか?」
「うん」
そして俺とソフィアが席に着くと、みんなで同時に食べ始めた。
「カズマくん、このスクランブルエッグ美味しいね」
「ありがとう」
「そうなんだ。中々やるやん、カズマ」
「うん。ありがとう」
俺はスクランブルエッグに対してソフィアから暖かいコメントを貰って嬉しかった。そして、予想もしてなかったことが起きた。それは、エリナから感想コメントを貰ったことだ。エリナは今まで俺のことを褒めたことは無かった。寧ろ、俺に対して冷たい態度ばかり取っていた。だから、俺は今の状況にかなり驚いている。俺は一度本人に尋ねようかとも思ったが、今は控え、昼食に専念した。
俺たちが朝食を食べる終えると、食器を洗ったり、着替えたり、その他諸々を行っていた。そして最後にカイメルさんの家を出る前に、食器をあった場所に戻し、ベッドのシーツ等も綺麗に畳んだ。
俺はカイメルさんの家に扉を閉める前に、ソフィアとエリナに最終確認をとった。と言っても、持ってきた荷物は数少なかった。
「ソフィア、荷物は全て持ったか?エリナも」
「うん」
「それじゃ...」
「お邪魔しました」
二人から同時に確認をとれたあと、扉を閉める前に俺たちは一言言って、カイメルさんの家の扉を閉めた。
「バタン」
「じゃあ、行こうか?」
「うん」
「うん」
そして、俺たちはリリシア先生のご自宅に向かって歩き始めた。時刻は08:30を回っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます