第3話

   

 子供たちも彼女も、私のことを「パパ」と呼ぶが……。

 当然のように、私とは血が繋がっていなかった。

 でも、まだ子供たちは二人とも幼くて、それが理解できない年頃らしい。私のことを本当の父親だと思って慕ってくれるし、私も悪い気はしなかった。

 一方、助手席の彼女は、きちんと現状を理解している。だから子供たちがいない時には――そんな時は滅多にないのだが――、私のことを「パパ」ではなく「なおみちさん」と呼ぶし、申し訳なさそうな顔をする場合もあった。

 今では私一人でドライブする時間はなくなり、いつも三人が同行する形だ。最初のうちは「たまには一人になりたい」と思うこともあったが、もうすっかり慣れてしまい、これを楽しんでいる。

 一人で釣りやキャンプに出かけるのも悪くないけれど、やはりファミリーカーなのだ。みんなで賑やかにドライブするのが、一番の幸せではないか!

   

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