第13話 震えています

 エンジンかからず雨の中、木陰でスマホで検索。もちろん、レンタルバイクのホームページ。

「バイク 違う駅で置いて帰る」

検索してみましたが、これといった情報は無し。ただ、バイクに傷付けたりすると、免責5万との文字が妙に印象に。

色々書いてありましたが、倒したりしたら修理代は5万ほどかかるみたいだ。

このツルツルタイヤでもきっと許してはくれない感じがする。


90分は変わらないまま、刻一刻と時間が過ぎて行きます。


途方に暮れるなか、もう一度エンジンスタート。

おっ、かかったーー

なんと、奇跡の一撃!!!

よかった。

さらによかった事に、雨も小雨になりました。


よし、帰ろう。


再び進み出せました。

もう、辺りは真っ暗。

周りが見えにくいのは、雨で濡れたシールドのせいか、私の年のせいか、それとも疲れのせいか分かりませんが、とりあえず返却時間もあるので、バイクを進めました。


ただ、私の体は震えています。

雨に濡れた寒さなのか、疲れなのか、はたまた夜間走行の恐怖なのか、もう指先の間隔も薄れてきましたが、肩から先は、両腕共に震えています。

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