夢語り

できるだけ大きな箱に憧れている


できるだけたくさんの光を使いたい

できるだけ遠くへ響く音を使いたい

できるだけ生き様が輝く物語を書き

できるだけ人が惹きたつ演出をつける


その空間は夢のようだったと言わしめる

その空間を二度と忘れられないような

その空間が心に焼き焦げてとれないほど

その空間に全てを置いていかせるような


僕にできる全てのちからをもってして

鋭利なナイフで一生残るような傷を

海馬を切り裂くようぶつけてやるさ


もう何と比べることもできないほど


なにものにも代え難い 没頭を

比較もされない舞台に 昏倒を

死にゆく哀れな凡庸に 黙祷を

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