加 些細な願い
剣を振り、血飛沫をあげる少女。
「まだまだ……」
バタッ………!
さっきまで荒々しかった少女が突然倒れ込んだ。
数時間が経ち、少女が起き上がる。
「またこんなに殺して……いつか私に普通の日常なんて来るのかしら」
朝日を眺め座り込む。
「はぁ……はぁ……日が落ちる前にこの死体の処理を……」
山の中で少女が原形をとどめていない猪の死体を運ぶ姿があった。
誰にも見つからない場所に隠さなければ……と必死で運ぶ。
だが、彼女の腕には限界が来ていた。
「きゃっ!!!」
先程まで持っていた死体を手から離してしまい、落ちていく死体。
あれを誰かに見られてはいけない!
死体と共に山を降りていく。
降りた先には一人の少年。
「なんだっ!」
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