第49話

 ミス都高コンテストの最終得票数は、観月がトップとなった。

 午前中のパフォーマンス(??)が功を奏したのか、最後に佳乃を逆転したカタチだ。

「さすが黙っていると美少女ランキング1位の吉田観月サマ」

「うっさいなぁ」

 静香の茶化しを軽くいなして、観月は真琴に向き直った。

「で、これから私は何をすれば良いんですか?」

「うーん、とりあえず今日は空良君に頑張って貰ったから、あとはポスター撮影くらいかな」

「紺野さん、その事で1つ提案があるんですが・・・」




「これじゃただのコスプレ撮影だな」

 さすがに例のタスキは外したタキシード姿の空良が軽く毒づいた。

 彼を中心として右隣にメイド服姿の観月、そして左隣に浴衣姿の佳乃が立っている。


 得票差が僅か数票だった為、観月はミス都高を辞退。

 準ミスを彼女と佳乃で分け合い、ミスター都高の空良を交えた3人の撮影となったのだ。


「来年は大差を付けて完全勝利してみせるからね、よしのん」

「わ、私は弓道の試合で勝利したいんだけど」

 こういう場に慣れていない佳乃は、戸惑いながら答える。

「とにかくさっさと終わらせようぜ」

 あくまで事務的な口調で話す空良。

「あら、ソラ君はどちらかとツーショットの方が良かったのかな?」

「・・・今からでも出展中止処分に変更しても良いんだぞ」

「ぶー」

「はいはい、3人とも笑って笑って」

 収集が付かなくなりかけた雰囲気を察して、真琴がパンパンと手を叩いた。

「そうだな、確かに明日の準備もまだ残っているし」



 空良の一言で、レフ板を持っていた静香はびくっと身を固くした。

(明日・・・そうだった)

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