疑惑

 上岸地区を引き払った群馬県警機動隊第1小隊は、先導のパトカー1両と人員輸送車2両の車列を組んで、すっかり陽が沈んだ夜の山道を下っていた。目的地は上白井運動場に設けられた防疫拠点である。

 輸送車の車内は誰一人として言葉を発する事もなく、言いようのない重たい静寂に包まれていた。備え付けの車載無線機から時折り聞こえて来る、第2小隊と第3小隊が交信する声。そして車体に響く走行音だけが、この場を支配しているかのようだ。

 道が平坦になった所で、最前列を走るパトカーが速度を落とした。後ろを走る輸送車の運転手もそれに合わせてアクセルを緩めつつ、パトカーが照らすヘッドライトの中に目を凝らす。その光りの中から現れたのは、白い防護スーツに身を包んだ3人の人間だった。パトカーの運転手と何かやり取りをしているのが見える。

『渋川204から後続各車、運動場まで保健所が誘導してくれる。このまま進むぞ』

 ここからは保健所の車が先導に加わり、暫しの間を走り続ける。計4両の車列は上白井運動場の入り口に到着し、駐在警官の誘導によってグラウンドへ車両を停車させた。

「総員降車、分隊毎に整列」

「総員降車!」

 小隊長こと伊庭警部補の命令を小隊伝令の喜久田巡査が各分隊に下命した。

 隊員たちは駆け足で輸送車から降り立ち、4個分隊はグラウンドに粛々と整列。こちらを照らしている白い照明の下、防疫所の人間がやって来るのを待った。

 5分としない内に姿を現したのは、同じく防護スーツを着込んだ5人組だった。どちらも小脇には複数のファイルを抱え、スーツの上から名前と所属を明らかにするためのゼッケンを着ている。ちょうど中央に立っていた者が一歩前に踏み出し、喋り始めた。

「渋川医療センターから参りました大橋おおはしと申します。これから皆さんには、あちらの管理棟で各種検査を受けて頂きます」

 全員の視線が、大橋の指差す管理棟に集中する。元々ここは専門学校の校舎とグラウンドをそのまま運動場に転用した場所なので、第1小隊を隔離するには十分な要素を満たしていた。

 あそこに入ったら、もう出られなくなるのではないか。そんな事を考える第1小隊の隊員たちを余所に、大橋は説明を続ける。

「狂犬病は発症前の感染を特定する事が非常に困難な疾病ですが、可能な限りの手段を尽くしますのでご協力下さい。まずこれから受診票をお渡ししますので、お手数ではありますがご記入をお願い致します」

 分隊長たちが受診票を受け取り、隊員たちに渡していく。夜風で揺れる木々の音がさざ波のように聞こえる中、無言で受診票の記入を続けた。終わった者が挙手をすると伝令の喜久田巡査が回収して回り、全員の分を回収するまで15分ほどを要する。

 全ての受診票は無事に手渡され、まずそれだけを抱えた状態で1人の職員が管理棟へ向けて走り出した。これによって、受け入れの準備が更に進むのだろう。

「では私の方から見て一番左手の皆さんから移動をお願いします」

 防護スーツを着た職員の先導により、まず第1分隊から移動を開始した。管理棟へ入る前に全員の体温測定が行われ、それぞれの受診票へ書き込まれていく。

 管理棟の内部はビニールのカーテンが各所に張り巡らされており、既に彼らを感染の疑いがある者として扱う用意が整っていた。誰に文句を言える状態でもないが、気分が次第に落ち込んでいくのを全員が感じている。

「……複雑な気分だな」

 第1分隊長こと竹田たけだ巡査部長が思わず口走った。ベッドの周囲も同じようにビニールのカーテンで仕切られ、お互いを感染から守るようにされていた。

「ベッドに割り当てはありませんが、1人1つのみ使用して下さい。トイレ及び移動は、この階以外は厳禁になります。何かありましたらこちらの機器で報せて下さい。1階の詰め所でコールが鳴りますので、お伺いします。30分後に1回目の採血を行いますので、それまでは休まれていて結構です。後ほどお迎えにあがります」

 えらく機械的な対応の職員はそう告げると、呼び出しの機械を竹田に託して姿を消した。

 かつて教室だったであろう場所には、人数分のベッドが据え付けられている。何所からか調達して来たらしい雑誌や漫画が積み上げられ、果てはテレビとDVDプレイヤーまであった。これで暇を潰せと、雰囲気だけで命令されているような気分に陥る。

「各自装備を解け。但し手袋は外すな。こんな空間だが、感染のリスクを少しでも減らす努力をしよう」

 隊員たちは制帽を取り、思い思いのベッドに取り付いて防護装備を外し、下の空間に置いた。下手に雑談も出来ないまま、採血が始まるまでの時間がゆっくりと過ぎていく。


 管理棟にはこうして1個小隊全員が収まり、現状で行える最大限の検査が進んでいった。

 ここに集められた医師たちの多くは、感染症の専門医も少なからず存在するものの、その殆どは一般内科医や神経内科医が割合を占めている。

 そろそろ診療時間が終わろうとしていた矢先、医師会と県庁からの急な申し入れによって集められた彼らは、狂犬病の感染が疑われる警察官たちの検査と言う前代未聞の役割を課せられ、未だ嘗て直面した事のない状況に内心では恐れつつもその役割をこなしていた。

 だが、その彼らにも思う所があった。県内では衛生環境研究所と対を成す存在として医師の間では広く知られている、感染症医療研究センターからの応援が望めないと言う点である。あそこには、この手の感染症に精通している研究員や、元医師だった人間がたくさん居る筈だ。今回のような事態には当然協力を得られるものと考えていた医師たちは、存外に冷たい連中なのだとその認識を改めていた。

 状況が落ち着き始めた頃に現れ、サンプルを頂いていくハイエナのような行為をしてくるのではないかと考えている者まで居る。


 岸菜町役場においても、感染症医療研究センターに協力を要請するための電話は何度も掛けていた。しかしその電話は、連絡を取り始めてから2時間が経過しても繋がらないままである。

 不審に思った助役の樋口は研究センターに役場の職員を向かわせたが、施設には誰も居なさそうだと言う電話が舞い込んでその肩を落とした。

『守衛室は空で正門は閉じられています。敷地内の外灯と非常口の明かりが見えるぐらいで、人の居る気配は感じられません』

「そうか、分かった。十分に注意して戻って来てくれ」

 受話器を置いた。伝えられた事をそのまま、高井や牧田にも報告する。

「定休日でしょうか。そんな物があるとは聞いていなかったと思いますが」

「センター長の携帯はどうだ。緊急の連絡網に控えがあった筈だ」

 牧田が立ち上がり、あちこちから持ち込んで来た書類の中に混じっていた【災害緊急時等 関係各所連絡網】と書かれているファイルを取り出した。ページを捲りながら電話に取り付き、自らが番号を押して電話を掛ける。

「……留守電か。取りあえずメッセージは残そう」

 留守電に現在の状況と、研究センターの協力が欲しいとの伝言を残し、電話を切った。

「確か上岸地区に住んでいる研究員で無事な者が居たな。事情を聞いてみてくれるか」

「分かりました」

 樋口が上岸地区の住民基本台帳を捲り、連絡先を調べ始める。それとほぼ同時に、対策本部を置いているこの会議室に隣接する町長室の電話が鳴った。

「出て来よう。そっちは任せるぞ」

「はい」

 精力的に動き回る牧田を見て、猪又や宇野は自身の考えが杞憂である事を感じていた。保健所の栗田も、「思っていたより普通ですね」と零している。しかし、猟友会の代表だけは相変わらず敵意を剥き出しにした視線を向けていた。

「小松さん頼みますよ。そんな怖い顔しないで下さい」

「アンタも気苦労が絶えないな。こんな所で燻ってないで、さっさと中央に戻っちゃどうだ」

「私はこの町が好きです、戻る気はありませんよ」

「何所まで本心か俺には分からんね」

 高井は猟友会代表の小松氏を懸命に宥めている。この2人自体は特に険悪な仲ではないようだが、猟友会としては行政に対して何か含む所があるのだろう。執拗に悪態をついては会議の進行を邪魔する行為が目立った。

 飲み干して空になったお茶の缶を役場側に放り投げた瞬間、我慢の限界に達した猪又は思わず声を荒げた。

「このような場で物事の進行を妨げる行為は謹んで頂きたい。住民たちは我々の助けを待っているんです」

「お、何だ。タイホするか? 法律に触れるような行為はしてないぞ?」

「小松さん!」

 終始和やかに事を収めようとしていた高井がついに大声を出した。小松氏の腕を引っ張り上げ、会議室の外へと連れ出していく。

「……偏屈なヤツですね」

 宇野も吐き捨てるような言葉を漏らした。どうしてあそこまで非協力的なのか気にはなるが、首を突っ込んでいい事柄でないのは確かである。そもそも、今はそんな事にばかり労力を消費している場合ではなかった。


 樋口と上岸地区に住む研究員の長い電話が終わった。4枚に及ぶメモをしたため、牧田の下へ報告に向う。

「研究センターは改装工事のため、3日前から閉鎖中との事です。全職員には一週間の休みが出されていると話してくれました」

「あそこで扱っているウイルスが流出したんじゃないだろうな」

「電気系統もいじる工事なので、全てのサンプルは群馬大付属病院の感染症研究施設に移送済みだそうです。センター長もこの休みに託けて、家族旅行に出掛けると陽気に話していたとか」

 電話が繋がらないのはそのせいだろう。もしかすると県外はおろか、下手すれば国外に居る可能性もある。直ぐに呼び寄せるのは難しそうだ。

「それと何も分からない我々のために噛み砕いて説明してくれましたが、あの施設はBSL3の基準を満たしているので、下手に流出する事は有り得ないと言っていました。狂犬病についても当然研究していますが、他の細菌やウイルスと同じように厳格な管理下にあるので、普通なら流出は考えられないそうです。まぁこの人間も平の研究員だそうですので、何所まで本当かはこちらでも判断しかねますが、信用していい内容だとは思います」

 これで研究センターからのウイルス流出説は薄くなった。しかし、牧田は追及を続ける。

「詳しくは知らないが、動物実験を行っていると聞いた事がある。それが逃げ出したんじゃないのか」

「いえ、それも工事の日程に合わせて、実験も搬入も中止していたそうです。今のあそこには、ヒトも動物も居ないとの事でした」

 手詰まりになる空気が漂い始めた。狂犬病の出所が益々分からなくなり、不安だけが濃度を増していく。

「赤平さん、近くに居られますか?」

 牧田はふと何かを思い出したように、感染症医師の赤平を呼び出した。モニターからは姿を消していたが、近くに居たようで直ぐに画面の中へ写り込んで来る。

『はい、何でしょう』

「もう1度説明願いたいのですが、BSLと発症した患者の扱いについてはどのような関係性があるのでしょうか」

 牧田の質問に、赤平が真摯に答える。この場に居る全員に理解し易い言葉を選んで説明してくれた。

『BSLは基本的に研究施設に対して課せられる指標でして、発症した患者さんの治療を行う施設とはまた別の基準になります。ですので、BSL4に類する病気を発症したとしても、BSL4の施設を備えた場所でないと治療が出来ないと言う訳ではありません。例えばエボラウイルスはBSL4に分類されていますが、感染症としては第一類に属しますので、設備の整った病院では治療可能です。この辺は混同し易い所ですので、お間違えないよう覚えて下さい』

「では狂犬病について扱いが難しいと仰ったのはどのような判断によるものですか」

『まず、基本的に治療法がありません。全て対処療法になり、治る確率も非常に低いのです。これに関しては日本中の病院がそうでしょう。当院だけがどうではなく、狂犬病とはそういう病気なんです。また、ウイルスは時間が経つと変異を起こします。無害だった物が有毒化する可能性もあります。そうなると、BSL3で間に合っていたのが4基準で物を考えなければならなくなり、それに相当する施設でワクチン開発等の研究を行う必要性が出て来るのです』

「なるほど、分かりました。と言う事は、最悪でも怪我人の収容は出来る訳ですね?」

『その後にどのような運命が待っているか今は何とも言えませんが、収容自体は出来ます』

「では、大変恐縮ですがベッド数の確保をお願いしたいと思います。可能ですか」

 その申し出に赤平の顔は険しくなった。しかし、ここまで来て無関係では終われないと考えたのか、それを承諾した。

『分かりました。用意だけは整えておきます。失礼ですが、また席を外しますので御用があればお声掛け下さい』

 そう言って赤平はまた画面の中から消えた。この事件解決への協力も必要だが、目の前に居る患者を無碍にする事も出来ないのだろう。向こうは向こうで忙しい筈だ。

「一旦、休憩にしましょう。30分後にまたお集まり下さい」

 牧田の発言によって、会議室に詰めていた人間たちが散っていった。猪又も外の空気を吸いたくなったので屋上へ向かう。


 外は完全な夜となり、山を撫でる風が心地良かった。体を伸ばしながら深呼吸を繰り返し、満点の星々を眺める。とてもいい景色だ。

「猪又さん、だったかな?」

 急に呼ばれて振り返ると、高井に退室させられた小松がそこに居た。ふざけていたさっきまでと違い、その表情は真剣である。

「……何か」

「俺もそこまで核心を得ている訳じゃない。だが、こいつはあんた等に任せたほうが良さそうだと思ってな」

 ジャケットの内側から取り出したのは、小さなデジカメだった。「管理番号05」とシールが張られているため、猟友会の備品らしい事が窺える。

 小松はそのデジカメの電源を入れながら、こちらに近付いて来た。

「見て欲しい写真がある」

 背面の液晶を猪又に見せた。そこには、やや大き目の捕獲器らしい物が写っている。猟友会の人間であれば、別に珍しい物を撮っていると思えないが、これが何だと言うのだろうか。

「捕獲器……ですか?」

「そうだ。因みにコイツはうち等の物でも、役場の物でもない。罠がある事を報せるプレートも設けずに置かれている、困った存在だ」

 猪又には小松の言いたい事がいまいち伝わらなかった。怪訝な顔を浮かべていると、小松が話しを先に進める。

「罠を仕掛ける際は基本的に、警告を促すための標識を近くに設置するもんだ。これを怠っているってだけなら鳥獣保護法違反で話しは済む。問題なのは、これが一定の周期で姿を現しては気付けば無くなり、その度に野犬の数が1~2頭減ったり増えたりしてるって事だ。俺はね、猪又さん。今回の事件は、やっぱりあの研究センターが一枚噛んでいるんじゃないかと思ってる」

 とんでもない所から、とんでもない情報が飛び込んで来た。小松はこの事を知った上で、役場側がボロを出さないか探っていたのだろうか。

「……根拠は何です」

「あそこは全国の保健所から、貰い手が付かない殺処分前の犬を引き取って実験サンプルにしてるそうだ。当然だがそれには、まぁまぁの金が掛かっている。一般に保健所から犬を引き取る場合、その相場は犬の大きさにもよるが10万から40万も前後するんだとさ。こじつけに聞こえるかも知れんが、それをもし浮かせる事が出来たら、その分の金を何かに回す事は出来ると思わないかい?」

「しかし、そんな端金はしたがねで」

「この行為が前町長の頃から行われていたと考えると、相応に大きな金になると思うんだがね。役場の連中はひた隠しにしてるみたいだが、そんな前からコイツは姿を現してるんだよ。こんな事さえ起きなきゃ、人知れず野犬どもを間引いてくれる有難い存在で済んだんだがな」

 犯罪の臭いがし始めたのを、猪又は感じていた。これはもしかすると、見えない所で何かが起きた上で発生した事件の可能性がある。

「小松さん、因みにこれは何所にありましたか」

「犬捨て峠を下流に少し下った辺りだ。犬どもの通り道になっている。最も、半年前の写真だから今はもう無いだろうな」

 思考を巡らせる。目の前で起きている事態への対処と並行して、役場にその動きを気取られる事なく、何が起きたのかを探らなくてはならない。ここは、あの自衛官たちも巻き込んでしまっていいだろう。野犬が他の所でウロウロしている事を考慮に入れると、自ずとその護衛は必要になる筈だ。それを任せる事で大義名分を作り出せばいい。

「ありがとうございます、これはお借りしても?」

「全部落ち着いてから返してくれればいい。壊さないでくれな」

「はい、後ほどお返しします」

 猪又はそのデジカメを懐に仕舞い、屋上を引き払って対策本部へと戻った。

 まず誰に声を掛けるべきか。取りあえずメモ帳に詳細を書き込んで、通信の人間から署に報告を入れさせた。暫くしてから返って来た内容は、現状として出来る最大限の範疇に止めろと記されていた。まだ逮捕状を請求出来る状態でもないし、可能な限りの証拠を集める事が骨子となるだろう。

 その内容を確認した猪又は、情報収集先遣班を指揮する田川一尉に近付いた。

「ちょっと宜しいですか」

「何でしょう」

 田川を外に連れ出す。役場側は、それに対して特に不信感を抱いている様子は無かった。

「ご相談があります。捜査協力の依頼をしたいのです」

 猪又の発言で田川の顔は強張った。どう言葉を繋ぐか逡巡しつつも、ゆっくり話し始める。

「……まだ我々には、災害派遣の正式な要請すら出ていないんです。ここに居る事自体は違法じゃありませんが、どちからと言えばグレー寄りな行為に近い。それに我々は警務の者ではありませんし、警察権の行使が認められるのは基本的に、治安出動での情勢下のみです」

「いえ、正確には捜査員の警護をお願いしたいのです。まだ全体像は把握出来ませんが、誰も把握していない所で別の事件が起きている可能性が浮上しました。事が全て終わってからでは尻尾を掴む事が難しくなるかも知れませんし、この状況そのものが悪化する恐れもあります。捜査に直接加わって頂く必要はありません。捜査員たちを野犬から護って下さるだけでいいのです」

 田川はその申し出をどう処理するか困り果てた。普通なら跳ね除けるべきだが、猪又の必死な姿に何かを感じ事で、当然だが全てをオフレコにする条件付きで受諾した。

 本部にも一応の了承を仰ぐために、役場の駐車場に停めている軽装甲機動車まで移動する。

「はい、分かりました。そのようにします」

 無線機を戻し、後ろに立つ猪又へ振り返る。猪又の目は期待に満ちていた。

「事態の解決に必要であれば協力を惜しむな、との事です。今の交信記録は残さないものとしました。次いで、我々が護身用に使用するための武器弾薬を運んで貰います。動き出すのはそれからで宜しいでしょうか」

「問題ありません。準備が出来次第で良いので、こっそり声を掛けて下さい。カバーストーリーはこちらで用意します」

 この男、相当なやり手だな。と田川は感じた。伊達に警察署の代表としてここに来ている訳ではなさそうだ。これは信用して良いかも知れない。

「では、一旦失礼します」

 猪又は踵を返して役場に戻って行った。田川もまた、怪しまれないよう時間を置いて役場に戻り始める。

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