第52話 魔導機動騎士参上!!!
間違いない、どこからどう見ても、その巨大な姿は
【魔導機動騎士エクスキャリバーン】である。
「エクスキャリバーン?なにそれ?」
サクラは当然の如く、その謎の存在に?マークを飛ばす。
が、それ以上に驚きを隠せないルルルンは、エクスキャリバーンを凝視し、冷や汗を流す。
「な、なんで……なんでエクスキャリバーンが?」
「はっはっはぁ!!俺様が参上したからには年貢の納め時だ!魔女め!救世の剣が貴様を倒す!!!」
自信満々の俺様キャラ、間違いなくエクスキャリバーンである。その性格を設定したルルルン自身が強烈にそう感じている。
エクスキャリバーンは威勢よく啖呵を切るが、ルルルンとサクラ、二人のどちらが魔女か分かっていない様子で、指を指す対象がいまいち定まっていない。
「ええい!!どっちが魔女だ!!手を上げろ!!!」
エクスキャリバーンは面倒くさくなって直接聞いた。
「え?なんでそんな事聞くの?」
サクラがあからさまに嫌そうに答える。
「なんでって、俺様が魔女を退治しに来たからだっ!間違えて魔女じゃない人を倒してしまったら申し訳ないだろぅっ!!」
あまりにも頭の悪い発言にサクラは呆気にとられるが、ルルルンはエクスキャリバーンの一言一言を聞き漏らさず、神経を尖らせていた。
もしも、エクスキャリバーンがルルルンと同じく設定通りのキャラクターと能力なら、今すぐにでもサクラを逃さなければいけない。
ルルルンはサクラの手を握り、耳打ちする。
「やだぁ、どうしたのダーリン急に手なんか握って、結婚する?」
「今からお前だけでも逃がす、転移したらとにかく遠くに離れるんだ、てかダーリンってなんだよ」
小声でツッコミだけは忘れず入れるが、とにかく今はサクラを逃がす事が最優先、握った手のひらにジワリと汗が滲む。
「どうしたの?なんでそんなに?あなたならどんなヤツでも簡単に追い払えるでしょ?」
「あいつが本当に俺の知ってるエクスキャリバーンなら、相当まずい、だから」
「あれ?お前、ルルルンか?」
ギクッ!!
エクスキャリバーンの口から出たルルルンを認識する言葉、考える暇はない!!
「
「ダーリン!?」
手を伸ばしたサクラを問答無用に転移させ、ルルルンはエクスキャリバーンと対峙する事になった。
「見た事のあるその髪!姿!声!!間違いない!!ルルルンじゃないか!!なんですぐに気が付かなかったんだ俺は!!うっかりだなっ!!!」
エクスキャリバーンは見覚えのあるその姿に、喜びにも似たリアクションをする。
「俺の名前を知ってるって事は……本当にキャリバーンなんだな」
「そうか、お前が魔女か、なるほど!なるほど!それならば納得がいく、いいぞ!そうでなくては面白くない!!それでこそ魔女退治だ!!」
エクスキャリバーンは実に楽し気にルルルンとの再会を喜ぶ。
「お前が本当にエクスキャリバーンで、なんでそんな感じで俺の前に現れたのかはよく分からんが、とりあえず俺の話聞く気ある?」
「ない!!!!!!!」
巨大な機械騎士がゆっくりと腕組みを解き、動き出す。
「決着をつける時だ、ルルルン」
背中に装備された巨大な聖剣クロスカリバーを手に、正眼の構えを取る。
「戦うしかないの?」
ルルルンの額から汗が頬を伝う……その汗が顎から雫となり落ちるその瞬間。
「行くぞ!!!!!!!!!!!!!!」
そう言うと、エクスキャリバーンは問答無用で剣をルルルンに振り下ろす。巨大な分モーションが遅くなるといった事は一切ない、とんでもない速度の斬撃。
「やばいっ!!」
振り下ろされた巨大な一撃をルルルンは魔法障壁で受け止めるが、受け止めた衝撃はサクラの住処を無慈悲に破壊する、大地を大きく両断し、遥か先の山まで真っ二つにする。
「(やばいやばいやばい……)」
想像していた威力の10倍はある斬撃、ルルルンの中の危険信号は一気にレッドに切り替わる。
「俺様の本気を受け止めるとは、さすがルルルンだ!!」
その一撃を
「
しかし、ルルルンの高位回復魔法で、再起不能レベルの腕が何事もなかったかのように回復する。
「やっかいな回復魔法だ、だがしかし!!攻略方法もそれゆえ単純!!回復を上回る一撃を繰り返せばいいだけ!!!さあ行くぞルルルン!!!今日こそ、貴様を倒す!!」
「ライバル設定まで再現しなくてもいいんじゃない?」
エクスキャリバーンとルルルンは、ライバル関係という設定で制作された【※ミズノの強い要望】特にエクスキャリバーンは、ヨコイケイスケ自身の抑止力というイメージで作られた魔法使いキラー。魔法障壁を貫通するクロスカリバーを装備し、あらゆる魔法への耐性を持つ【究極魔法障壁(アルティメットマジカルバリア)※命名ミズノ】を持つ、対魔法使いに特化した魔導機動騎士なのである。
「うぉぉぉぉぉ!!!!!」
エクスキャリバーンが巨大な咆哮を上げ剣撃を繰り出す。一撃一撃が山一つ吹き飛ばすようなとんでもない威力、その全てをルルルンは魔法の力で吸収し魔力へと転換ている。
「
「くそ!吸収しきれない!!?」
6撃程で魔力転換できる許容量を越える、普通に考えてありえない事態、イレカエが使用不能になり、ルルルンに剣が届く。
「
とっさに肉体を硬化させる魔法で防御する、イレカエで得た魔力全てをそれに使用するが、それでもダメージを相殺しきれず、ルルルンは吹き飛ばされる。
「ぐはっ!!」
冗談のように吹き飛ぶルルルンと同じ速度で巨大なエクスキャリバーンがぴったりと張り付いてくる。
「まだまだ!!」
「調子にっ!!!のるなよ!!!」
貼り付いてくるエクスキャリバーンを、ルルルンは魔法力を込めた蹴りではじき飛ばす。
「
すかさず二重詠唱を使い一撃目で超熱魔法を放つ。巨大な炎の腕が拳を握り、エクスキャリバーンを殴り飛ばす。
「そんな程度か?俺様にそんな魔法は効かん!!」
絶界レベルの超熱魔法を纏った攻撃でも姿勢を崩すだけで、傷一つつかない、キャリバーンの魔法障壁は設定通り完璧である。
「ツー・
二つ目の魔法が、一瞬で巨大なキャリバーンを岩の牢獄に閉じ込める。
「こんなもの!!一瞬の時間稼ぎにもならんぞ!!」
「一瞬で十分!!」
時間にして1秒程度の時間でルルルンは次の準備を完了する。
「
ルルルンは4つの魔法を同時に展開する、火、風、光、滅、四種の魔法陣がルルルンを取り巻き、それが一つに集約される。
大魔法使い【タンザナイト】のみが使用できる「極界魔法」が一つ。
それは全てを削り取り、全てを消滅させる嵐の槍、およそこの世界に存在する物質の防御を全て無効にする、最強の攻撃特化魔法。信じられない量の魔素がルルルンの手に集まり、それは放たれる。
「
集約された魔素が光の槍に形を変え、真っ直ぐに、あらゆる物を消滅させながらストリムランスは対象のエクスキャリバーンに命中した。
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