第4話ご褒美とは?

 頭なでなで1時間コースを無事終了すると、僕に抱きつく形で鏡花きょうかが寝てしまった。僕は起こさないように鏡花を剥がし、ソファに寝かせた。家の中は暖房が聞いているが念の為、風邪をひかないようにタオルケットをかけてあげる。

 何もやることがないのでスマホを見てみると、由希ゆき先輩からの通知が酷かった。何件だと思う?1000件だよ?あっ、今1001件に増えた。

 内容を見てみると、『なんで無視するの?ねぇ?からかいすぎたから怒ったの?なんか返事してよ。返事してくれないと分からないよ』

 という内容が1001件来ていた。

【宮都】すみません。妹の頭を1時間撫でてました。

【由希】後輩君に妹いたの?!なーんだびっくりした。嫌われたものかと思ったよ。

【宮都】由希先輩は暇なんですか?

【由希】うん。暇だよ〜

【由希】そういえばさ、文化祭で私たちの部活って何やるの?

【宮都】綾川先輩次第じゃないですかね?

【由希】だよねぇ~

 とメッセージが送られてきた。

 すると、

「あれ、お兄ちゃん…何処?お兄ちゃん、何処?!ねぇ?!」

 鏡花が大きな声を出して僕のことを探し始めたので由希先輩に『妹が僕のことを探しているので1回やめますね?』とメッセージを送ると『了解~、また明日!』というメッセッージが送られてきたのを確認して

「僕はこっちだよ、鏡花。」

 と鏡花に言うと、

「お兄ちゃん!えへへへっ!」

 と満面の笑みで僕のところに来て頭をぐりぐりする。

「鏡花。お父さんが帰ってくるまでここで勉強しなさい。宮都付き合ってあげて。」

 と料理を作りながら母が言ったので鏡花と勉強をする。ちなみに僕は教える側だ。妹の溜まっていた課題はお父さんが帰ってくるまでにはほとんど片付いた。

 そしてご飯を食べ終え、入浴を済ませ、リビングに行くと

「お兄ちゃん、勉強頑張ったからご褒美頂戴!」

 鏡花がそんなことを僕に言いながら抱き着いてくる。

「もう寝る時間なのだが」

「ご褒美くれなきゃ明日授業頑張れない…」

「はぁ~、わかったよ」

「じゃあ、頭撫でてね!」

 そう言ったので撫でてあげると嬉しそうにする。僕の妹は頭を撫でられるのが好きらしい。

 そして鏡花のご褒美が終わると日をまたいでいた。

 僕は『これは寝不足確定だな』と思った。

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