第1話僕は鈍感じゃない!

 突然だが、僕は松平宮都まつだいらみやと県立平良高校けんりつたいらこうこうの1年生だ。

 ちなみに今、秋の肌寒さを感じながら登校している。

 すると、後ろから

、おはよう〜。寒くなってきたね!そろそろ雪でも降るのかなぁ?」

 と言ってきたのが鷲野由希わしのゆき先輩。黒色の長い髪を腰まで伸ばしている。目元のホクロがチャームポイントなんだとか。ちなみに高校2年生。「同人誌作成部」の副部長である。

 ここで、なんで「後輩くん」と呼ばれている理由を話しておこう。

 入学3日後に

「ねえ。同人誌作成部に興味ない?」

 そう聞かれたので

「ありません」

 というと

「入部してよぉ!お願いだよぉ!」

 と泣きついてきてうっとおしかったのでこの部活に入部したからである。

「まだじゃないですか?10月の頭ですし。降るのなら11月後半なのでは?」

 と返すと

「まだ降らないのか…。早く降らないかなぁ。」

 この先輩は雪かきをやったことがあるのだろうか?

 辛いぞ。マジで。

「僕は降って欲しくないですね。」

「なんで?」

 鷲野先輩が不思議そうな顔をして聞いてきたので

「雪かきがだるいんですよ。」

 と答える。すると、

「私やった事ないから分からなーい」

 鷲野先輩があっけらかんと答える。僕の予想が当たった。雪かきのつらさを説明すると長くなってしまうので、ここで話題を変えることに。

「ところで先輩。進路決めました?」

「私はまだ高二だよ?!」

「そうですね。でも、はあるんじゃないんですか?」

「うーん。強いていえば、ミヤトクンノツマカナ」

「最後聞き取れませんでした。もう一度お願いします。」

「いやでーす。1発で聞き取ってくださーい。」

 という会話をしながら歩いていると目の前に学校が見えてきた。校門を潜り、玄関に行くと、

「後輩くん、昼休みに教室に行くね!」

 と言って走り去っていった。

 僕も教室に行くことに。ちなみにクラスは1-2である。

 教室に入ると、

「よぉ、宮都!またあの先輩と登校してたのか?いい加減先輩の好意に気がついてやれよ。先輩が可哀想になってきたよ。」

 と話しかけてきたのは内田昴うちだすばる。茶色の髪をしている。ちなみに地毛である。ここで、なんで昴と親しくなったか話しておこう。それは高校に入学してから3日目のことである。昴は弁当を忘れてきたので購買に行って昼ごはんを買おうとしていたが、お金がなくて買えず、困っていたので、僕が食べ物と飲み物を適当に買ってきて渡した。という経緯から親しくなった。

「え?部活の副部長だからただ接してるだけでしょ?コミュニケーションの一環で。それ以外に何かあるのか?」

 僕が昴に言うと「どうやったらわかってくれるんだ!」と言いながらをかかえていた。

 こんな奴でも今やである。人生何があるか分からないよな。

 そんなことを思っているといつの間にかチャイムが鳴り、そして午前の授業が始まる。

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