両親の温もり

 私は、あった事全てを話した


「はぁ…………また厄介な事に巻き込まれてるのね、あの子は…………」


「え?また?」


「こういう事、初めてじゃないのよ。あの子、片っ端から困ってる人助けてくるから。それこそ、こんな風に大きな事に巻き込まれたのは1度や2度どころじゃないわ」


 そうなんだ…………なんだ、私だけを助けてくれたわけじゃないんだ………


「でも、拐われたはちょっとまずいわね…………仕方ない、あなたー!」


「なんだい?あ、お風呂は沸かし終わったよ」


「ありがと、それよりあの子またトラブルに首を突っ込んだらしいわよ」


「またか?まったく、あいつはお節介が過ぎるんだよなぁ………それで?今度はなにに自分から頭突っ込んでいったんだ?」


「それがね、ごにょごにょ…………」


「………………やるな、我が息子よ」


「はぁ、うちの男はこんなのばっかかねぇ………」


 え?え?


「あの…………心配じゃないんですか?」


 なんでこんな冷静に会話してるんだろう……


「拐われたことも1度や2度じゃないからね、そりゃ最初に拐われたって聞いた時は心臓が止まったもんよ、でもこれが1度だけならまだしも、2回3回と続くとね………」


「え?え?!」


 拐われたのが1度や2度じゃない?!


「あの子は色んなトラブルにすぐ首を突っ込むからねぇ………だから、こう言ったの」


『この先誰かを助けるなら、それ相応の痛みを味わう事もある。でも、助けたせいで自分が傷ついたと思うな。全て、自分の責任だと思え』


「…………………それって」


 なにがあっても自己責任って事じゃ………


「でも、その代わりこうも言ったの」


『でも、絶対に死ぬな、ヤバいと思ったら逃げてもいい、その時は俺たちに相談しろ、なにがなんでも絶対お前を助けるから』


 ……………


「息子が助けた君に出会ったのは偶然が必然か………いや、そんな事はどうでもいいか。とにかく、」


「「息子の危機だ、行こう」」



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