黒い砂漠〜日露戦争前に第一次世界大戦が起きちゃった世界線で史実未来から来た僕はどうすればいいの?〜

リヒト

第1話

 たった一発の銃弾。

 1914年6月28日。

 セルビアを訪問した二重帝国の皇太子夫妻が突如として暗殺されたのだ。

 当然二重帝国はセルビアに対し報復として宣戦布告。

 その後、同盟国のドイツ、オスマン帝国が味方として参戦。

 それら中央同盟に対し、イギリス、フランス、ロシアを中心とするロシアが宣戦布告。

 たった一発の銃弾が死傷者1600万人、負傷者2000万人という未曽有の世界大戦へと発展した。

 だがもし。

 だがもしもこれがこの一発の銃弾がもう少し早く打たれていたとしたら?

 1904年。

 史実では日露戦争が勃発するその年にその銃弾は放たれた。

 たった10年の歳月。

 それは世界を大きく変える。

 ロシアと戦争していない大日本帝国。

 これは混沌とした第一次世界戦において日英同盟という最強の切り札を持った大日本帝国にひょんなことから転移してきてしまった男の物語である。

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