美鈴2

私の話をするに当たって、切っても切り離すことができない大事な人が3人います。

お母さん、親友の加奈子、そしておじさん。

お母さんは、母子家庭で大変なのに私を育ててくれた。ちょっと不器用な人だけど、そんなところも私のお母さんなんだなってとても安心する。ごはんを作ったり掃除をしたりするのはあまり得意じゃないけど、娘の大切なイベントは絶対忘れない。自分のことは抜けていることが多いのに、いつも私のことは考えてくれる不器用で優しい人。


おじさんは、お母さんよりもっと不器用。自分が何を望んで生きているのか、自分でもうまく分かっていないんだと思う。いつも私やお母さんのことばかり考えて、それなのに肝心なところは踏み込めない人。いつもお母さんを助けようとばかりしているのに、気持ちを言葉にすることはできない人。


加奈子は、中学で初めてできた親友。勉強もスポーツもできて、とっても可愛いのに、まったく気がざらない。普通だったら嫉妬しちゃって仲良くできないかも知れない、そんな完璧な女の子。なのになぜか、優しくて皆から好かれている。私は、加奈子のようになりたいと思っていた。お母さんやおじさんのような生き方ではなく、加奈子のように望んだことにまっすぐ手を伸ばせる人間になりたい。なりたかったのに。


どうしてうまく行かないんだろう。

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