こんな賭け事ばかりの世界で逆転を! 異世界ギャンブラーの成り上がり。数秒先を見れる《未来予知》でこの世界で一番になります!

@okarin777

出会い

第1話 転生

「あれ、ここどこだ……?」


 俺は池が近くにある平原のど真ん中で目を覚ました。


 確か俺は、PCデスクに向かいいつも通りゲームをやっていた。

 それは最近俺がハマっているポーカーだ。ネットでリアルタイムに対戦が出来る。

 お金を賭けることは無いが、ゲーム内マネーは賭けることが出来るシステムだった。

 俺はそんなギャンブルゲームに熱中していた。


 しかしその後俺は負けて、むしゃくしゃしながら疲れて布団に入り、目を閉じた。


 そして深い眠りへとつき、そろそろ朝かと思う頃合いで目を開けると、俺はここにいた。



「どうなってんだこりゃ……」


 俺はこの状況を飲み込めないまま、近くにあった池の方へと歩み寄り、姿を映してみる。


 じ~っと水面の揺れがおさまるのを待ちながら俺の姿が写るのを見守る。


 するとそこにはいつも通りの、寝る時に着ていた上下紺色のジャージに黒い短髪をした男がいた。

 目つきは穏やかで立派な好青年だ。


「容姿は同じだよな……」


 不思議な夢だなと思いつつもほっぺをつねってみた。


「いててて!」


 痛い? ということはこれは夢ではないのだろうか。

 

 辺りを見渡すと、蜃気楼でモヤモヤとしているが、平原の奥の方にうっすらと人工物のようなものが見えた。

 俺はひとまずそこを目指すことにした。



  ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 


「近くで見ると意外とデカイな……」


 入口らしきところにたどり着くと、そこには見たことも無いような大きな門があった。そこまで大きくないと思っていたが、かなり大きな街だ。


 現世とかけはなれた建物の構造にうつつを抜かしていると……




「旅のもの、何か用か」




 槍を持った甲冑の男がガシャガシャと音をたてて近づき、話しかけてきた。

 俺の居た世界にはこんな物騒な槍を持っている人間は間違いなく、銃刀法違反で捕まる。


 でも俺はこんな容姿の人間を見たことがあった。


 ゲームだ。


 恐らく門番だろう。焦っているところを悟られてはダメだと思った俺は、ひとまずここは話を合わせておくことにした。



「いやぁ疲れましたよ。ようやく目的地に着きました。中に入れて貰えませんか?」


「そりゃあご苦労さん。だがあまり見ない格好だなぁ……この街へは何をしに?」


 門番はこちらの格好を舐めるように見ながらそう問いかけてきた。


 まずいことになった。

 確かにこんな上下ジャージなんていうラフな格好で平原を歩いてきてりゃ、誰だって怪しく見える。 


 解答を間違えればそのまま持った槍で頭を貫かれそうだ。



 少し返答に迷っていると、街の外壁に最近貼られたのかそこそこ綺麗で大きなポスターが貼られているのが目に入った。



【ミラガライド王国:新たなチャレンジャー求む! ギャンブル闘技場トーナメント開催中!】



 これだ。俺はそのポスターをマジマジと見つめずに横目で確認しつつ、門番の問いかけに返答した。



「ギャンブルをしに来たんですよ。ほら、ここの闘技場は有名でしょう?」


「……そうか、なら通れ」


 男の警戒心が解けたのか、筋肉の緊張が和らいでいったような気がする。

 なんとかセーフだ! ひとまず俺は門番の横を通り過ぎ、門の方へと向かおうとする。


「闘技場に出るなら、気をつけろよ」


「あ、あぁ。お気遣いありがとう」


 街に入ろうと門番の横を通りすぎたその時、門番がそう声をかけてくれた。

 何に気をつければいいのかは今のところ不明だが、ひとまず俺は街の中へと入ることが出来た。

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