監獄ロック ロビンとマリー 改訂版

tsutsumi21

1 監獄の房の中 ~ クラブ ファランドール

第一幕 監獄の房の中


 (三人で歌う)

ロック・ロック・カンゴクロック!俺達カンゴク仲間

インテリ・ノッポ・オヤッサン!

どこで何したか知らねぇ

でも三日も同じ房にいりゃ、自然とわかるのがカンゴクのおきて

俺たちゃカンゴク仲間

ロック・ロック・カンゴクロック!


看守「おい、静かにしろ」!

三人「へーイ」


オヤッサン

「あーあ、おめえたちと楽しくやってきたけど、今日でお別れか。

 何だか淋しくなっちゃうな」

「インテリ、世話になったな」


インテリ

「こっちこそオヤッサン、オヤッサンが先に入っていたから、俺は安心して過ごすことが出来た。

何たってこんなとこは生まれてはじめてだ。勝手がわからなくてしょうがない。

経験豊富なオヤッサンが居てくれて助かったよ」


ノッポ

「俺だってそうさ、イライラしたときなんか、オヤッサンの顔を見てたら自然と気持ちが落ち着いたよ」


インテリ

「ありがとうよ、オヤッサン」


オヤッサン

「どういたしまして。ところでインテリ、これからどうすんだい。

せっかく仲間になったんだ。町へ出て一杯やってからお別れしないか」


ノッポ

「いいね、そうと決まったら、さっそくみんなでくりだそうぜ」


 (三人で歌う)

ロック・ロック・カンゴクロック!俺達カンゴク仲間

インテリ・ノッポ・オヤッサン!

今日でここともおさらばだ ヘイ!

でも三日も同じ房にいりゃ、いつの間にかわが家になった

俺たちゃカンゴク仲間

ロック・ロック・カンゴクロック!


(幕間) 妖精の案内人(浅草姉妹風)妖精が飛んでくる、場面が変わる

妖精1 もう来ないで もう来ないで

妖精2 またいらっしゃい またいらっしゃい

妖精1 来ないで

妖精2 いらしゃい


第2幕

クラブ ファランドール


楽団がシュトラウスの華やかな音楽を演奏。

紳士淑女が踊る


オヤッサン

「俺が通っていたクラブだよ」


女主人

「これは、これは、ドミノ様、ずいぶん、お見限りでしたこと」


オヤッサン

「え!うむ、いや、ちょっと海外に行っていたものでな」


女主人

「それは素晴らしいことで。で、どちらの方へ」


オヤッサン

「え!うむ、いや、格子のある・・」


女主人

「え、格子!」


オヤッサン

「コウシ!いや、格子戸を~くぐり抜け~、えい、ナイショじゃナイショ」


女主人

「まあ水くさいこと。ま、せっかくですから、ごゆっくり」

「ピーター、ドミノ様をお席にお連れして」


ノッポ

「オヤッサンはドミノっていうのかい。ずいぶんカオみたいだな」


オヤッサン

「それほどでもないが、おおそうそうマリーはどうしているかな」

「インテリならいっぺんに気にいるだろう」


ピーター

「お待たせしました。ファランドールの華、マリーです」


マリー登場 (愛のうたを歌いながら)

いとしいあなた いまどこに

私はここにいる

あなたは まだいない


いとしいあなた いまどこに

愛する私はここにいる

ららーらら、ららーらら

あなた 早く見つけて

私は あなたに会うために

生まれてきたの


オヤッサン

「どうじゃなインテリ、あんたにピッタリの子じゃないか。

歌はうまいし、あんたの良いパートナーになりそうじゃ」


「おお、マリー、マリー、こっちじゃこっち」

「紹介しよう、こちらがインテリ、おっと名前はなんじゃったかな」


インテリ

「ロビンです。ロビン・クレメンテ。君の素晴らしい声に魅了された果報者です」


ノッポ

「俺はシュガー・クリス、みんなノッポって呼んでいるんだ。よろしく」


マリー

「私はマリー・ペイジ、このクラブで毎日歌っているの」


インテリ

「なんて美しい人なんだ。君のような澄みきった声の持ち主が、こんなところでうずもれているなんて、残念だな。もっと大きなステージへ出るといい」


女主人

「こんなところで悪かったでございますわね」


インテリ

「これは失礼」「でもマリー、君はきっとスターになれる。僕が保証するよ」


マリー

「ありがとう、ロビン。だけど私、だめなの。シーサイドのオーディションのとき、風邪をひいて散々だったわ。あれ以来、オーディションが怖くて」


女主人

「オーディションの日に風邪を引くようじゃ話にならないわね。

この世界、きびしいのよ」


インテリ

「大丈夫、今度はきっとうまく行くよ」

「オヤッサン、ノッポ、ちょっと力を貸してくれないか」


オヤッサン

「待ってました」


ノッポ

「そうこなくっちゃ」


三人、頭を揃えてナイショ話

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