第8話「砂漠の皇帝(前)」

ここは遠い世界。銅狼を狩り、途中で遭遇した「カイザーザラマンダー(皇帝トカゲ)」の事を王に報告するが王はまだ寝ているという。暫く待たされた三人には朝食が振舞われた。束の間の休息と旅行らしい事は終わりを迎え。慌ただしくなってきた。


八話「砂漠の皇帝(前)」


玉座に案内される三人。王は眠たそうだったが話始める。

「ふぁーっ。よくやったと、褒めてやりたいけどよーカイザーが現れたんだろぉー?そいつもやっつけてくれよーそうじゃないと野郎は離さないぞー。」

「話と違います!直ぐに竜人を解放して下さい。」

「そうよ!約束位守りなさいよ!」

王は気怠そうだった。

「いやだ!あの男を打ち取って僕も先代みたいに崇められるんだ!邪魔はさせないぞ!ふぁーっ。だから皇帝もやっつけてね?よろしく旅行者。」

「ずいぶん無責任ね?国の命運を一旅行者に任せるなんて。少なくとも先代王なら軍隊を動かしていた筈よ?」

「そうだな・・・うーん、第一艦隊出撃ー!皇帝はこの俺だ!トカゲ程度が皇帝なんざ名乗るに値しない!やっちまえ!!!」

横に居た守衛はそれを聞いて走って伝えに行った。

「さて、旅行者。トカゲ野郎の朝食はまだだ。気が立っているぞ?って訳でよろぴくぴく!」

「全くふざけた奴・・・。」

と小声で言う三人。そして再び砂上船で移動する。

皇帝はすぐそこまで迫っていた。

「あの岩肌を砕かないとダメージは狙えないわね・・・。」

「私の爆発魔法でいけるんじゃない?消費が激しいけど・・・。」

「岩を剥がすのに全魔力を使ったら駄目だと思う。頭部を集中的に狙おう。」

「カッコつけてるけどあんた戦えないでしょ?」

「えへへ。それじゃあ・・・戦闘開始!」

「爆発魔法!ドンパッチ!」

小さな爆発が大きな皇帝を襲う。パチン、パチン。岩を砕く程の威力は無い。

「駄目じゃん!星彦丸どうしよう!?」

「連撃じゃなくて一撃必殺で行こう!」

「分かった!はーっ・・・破壊弾!ぶっ壊れちまえー!」

赤熱した弾が飛んでいく。

「お姉ちゃんもやるわよ!HEパンチ」

体重を乗せたパンチは見事命中する。爆発によって少しの岩を剥がす。続く破壊弾の命中で更に追い打ちだ。

しかし流石の皇帝、見向きもしない。目線の先にはロックスターが有る。そちらに向かって歩き始める。

歩く度に大地が揺れる様な錯覚を受ける。大きな野郎だ。

「APアッパー!」

「ぶっ壊れビーム!」

「全然効いていない!このままじゃ国に被害が出る!どうしよう!」そこに鳴り響く大銅鑼。野郎どもがやって来た。砂上戦闘で右に出る者はいない第一艦隊だ!計六隻の軍艦が取り囲み圧倒的な砲火を浴びせる。流石火薬兵器、扱いやすく高威力である。ボロボロと岩肌が徐々に壊れ始める。皇帝は怯んでいるようにも見れる。

「私達の出番はないんじゃない?」

「そうみたいね・・・」



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