自律神経出張中/バカは風邪を引かないの本当の意味

リョウ

家庭環境編

第1話【離婚】

僕は3人兄弟の長男で、母は1度離婚している。小学校高学年の頃に離婚をした。


離婚を何とか阻止しようと離婚届けにハンコを押させないためにずっと見張っていた記憶がある。


父も別れるのが嫌で母を思いとどまらせようと仕事以外にバイトを始めた。

早朝に新聞配達をしてから間もなく本業へ向かう。

帰宅して夕食を食べ終えると深夜のコンビニバイトへ向かう。

これに加え皿洗い、掃除、洗濯。家事までもこなし始めた。

よほど離婚をしたくないのだろうと子どもの僕でも胸が痛いほど伝わった。


だが離婚の理由は父の稼ぎが悪いからでも浮気をしたわけでもなく、母に好きな人ができたからだった。


そうなれば父が必死にやっていることは無意味なのである。


—そしてその日がやってきた


『あんた達出ていくよ』と言われ、教科書を詰め込んだランドセルを背負い手で持ち運べるものを兄弟で手分けして運んだ。


僕が大切にしていたカードゲームやゲーム機器はもちろん、おもちゃや友達との思い出の写真などは全て処分された。


―そして玄関を開ける。


すると母の口から一言。


『これが新しいお父さんだから』


家を出て行くことになったその瞬間に新しいお父がさん目の前にいた。

胸がドキッとし鼓動が早くなった。それと同時に父はどんな顔をしているのか気になった。


ふと振り返ったときに見せた父の悲しみに溢れた顔は今でも鮮明に当時のまま思い出せる。


こうして新しいお父さんと母と僕と妹2人での生活が始まった。

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