第5話 作戦

「リゾット様に遅れを取るな!持ち場へつけ!」


 ワキヤ隊長の指揮に各自持ち場へと急ぐ。自身を持って戦おうとする者、実は不安を抱えている者と様々だが、我らは300人。魔王を討伐するには申し分ない人数である。

そこにリゾットが全体持ち場の中央より皆に声をかける。


「皆んな、そのまま持ち場で聞いてくれ!作戦を伝える。敵はおそらく1体のみ、しかも悪の根源である魔王ゲルディと予測される。」


ザワザワザワザワザワザワザワザワ

(マジか、あの恐ろしいゲルディか)

辺りはザワつき、不安を抱く声が聞こえる。


「君達が不安なのも当然だ、しかしながら1対300という事を忘れないでもらいたい。ゲルディは強くても我ら300人が一気にかかるとどうだ?流石にゲルディでさえ即死は間違いない!!」


「ォォォォォォォォオオオオオオオオオオ」

300人全員がリゾットの発言に自信を持った。


「先ずは狩人職50人の隊は迫って来る魔王に一斉に弓を射よ!1人5本素早く射れば250回攻撃した事になる。いいな!」


「はい!」「おう!」「わかりました!」


「弓を射て少し怯んだところで騎馬ナイト50人の出番だ!とにかくランスを投げつつ魔王をこの中央へとおびき寄せるのだ!」


「はい!」「おう!」「わかりました!」


「次にシーフ職50人の君達はここに掘った落とし穴に魔王を落としてしまえ!」


「はい!」「おう!」「わかりました!」


「そして魔法使い職50人の君達は、落とし穴に落ちた魔王に全魔力を用いて火力魔法を投下だ!属性は得意な物で構わない!」


「はい!」「おう!」「わかりました!」


「そして残りの100人はメイジヒーラー職や召喚士、君達は魔法使い職の皆に魔力回復ヒールを頼む。回復した魔法使い職の皆んなは元気が戻ったら再度攻撃をしてくれ!」


「はい!」「おう!」「わかりました!」


「そしてヨロヨロになり、虫の息になった魔王が落とし穴から上がって来たところを、ワキヤ隊長が最後に魔王の首を落とす!

 以上が作戦だ!大丈夫だ、君達なら絶対に上手くいく!!」


ワキヤ隊長はこの作戦に少し半信半疑ではあった為、リゾットに色々と聞きたかったが、どうやらそんな時間は無さそうだ。


「き・・・来た!」


「何かに乗っている!あれだな!」


 緊張からか、各自心臓は痛いくらいに鼓動が速い


「さあ、皆んな!俺の作戦に誤りはない!自信を持って実行してくれ!!」



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