エピローグ

 1時間前。彼女を、不幸な偶然が襲った。今、彼女は病院で、息を引き取った。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も。

 その様は、まるで、それが運命だとでもいうようで。

 でも、そんなの、おかしいじゃん。ねえ、そうだろ?

 彼女は、ずっと俺と一緒だった。生まれるときから、ずっと。一緒に生まれて、一緒に育って。気性は違うけど、何をするにも一緒だった。

 そう、一緒だった。


 



 だから、こんなのは、おかしいんだ。こんなのは、おかしい……はずなのに。

「やり直してえ……」

 何を? いつから?

 まるで、運命だとでもいうような残酷に、俺はもう、疲れてしまったんだ。だから、やり直して、全てなかったことにしたい。この繰り返しを。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る