Episode17 自慢と書いて夢と呼ぶ

 西之島では警備中だったチェリーの部下の兵士が帰艦してくるイリノイと高雄型重巡洋艦4隻と妙高型重巡洋艦4隻の姿を発見した。

「松下隊長、軍港近くの海域にて、イリノイを視認‼」

 チェリーの本名は松下まつした良治りょうじと言う、ちなみにゼロの本名は古森こうもり亜香里あかりという。

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 5日間の日程を終えたイリノイが埠頭に辿り着くと乗艦タラップを掛けて、清掃員や点検員たちは降りて来る船員や兵士達に向かって敬礼をした。最後に降りて来たジャップには、大声で「お帰りなさいませ!」と言って敬礼をした。

「ご苦労様であります!」

「じゃあ……2、3日の間。点検等、頼むよ」

「はっ!――作業開始‼」

 造船ドッグにはアイオワ級戦艦6番艦ケンタッキーの姿があった、対空機銃のほとんどをCIWSやトマホークサイロに換装している姿だ。

 見張り台としての機能もある砲台砦には、戦艦大和の主砲塔が3方向を見るような配置で設置されていた。46センチ50口径3連装主砲塔が重厚感を出しながら旋回しているのは、迫力と書いてロマンと呼ぶような誇らしさしか出てこない。

 また対空装備として40ミリボフォース連装機関砲座や4連装機関砲座を大量に配置している。

 これらの防衛・迎撃装置や銃座は全て少数操縦制御装置を用いているので、女性兵士だけでも運用していけるという利点がある。

 基地内に戻ると、チェリーが敬礼しながら出迎えた。

「ご苦労様、ジャップ。向こうの様子は?」

「取り敢えず、訪問して来ようとしてくる勢力は確認したか?」

「いや、していない」

「そうか、お互いにお疲れ様だな」

 基地に併設されている陸兵隊用の広大な草原地帯を無限軌道キャタピラで走りながら、射撃訓練をしているM1A1《エイブラムス》と同じエイブラムスの派生型であるA2やA3も訓練していた。

「全車、警視!徹甲弾、行進射撃用意‼――撃てぇ‼」

 訓練なので、無線のチャンネルはオープンチャンネルだが本来は無線を車内同士のチャンネルになっている。

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