優しくて、意地悪で、仕事熱心の土地神様? 本当は怠けたいだけなのに

何? 和ファン好きであってミミボラを知らない、ですと……?
それはいけませんねェ、ハイィ!

ミミックがボランティアする物語。タイトルそのままです。
ただし、当然のことながらそれだけでは終わりません。
妖魔・黒蜥蜴であるにも関わらず、ある人物から土地神という特別な役目を受け継いだ主人公・漆葉境が、天真爛漫な相棒を筆頭とする個性的な仲間たちと共に、妖魔と戦うバトルファンタジー!

妖魔と戦う……? 主人公、妖魔なんだよね?

そうです。妖魔でありながら彼はヒトと土地を守る為、妖魔と戦うのです。
物語が進むにつれ、相棒・夕緋とのコンビ仲は「もう付き合っちゃえよ!」とツッコみたくなるほどに深まります。
しかし漆葉の頭の片隅には、常に妖魔である自分がいるのです。
その辺りの心理描写も本作の魅力の一つ。それぞれに強い信念があるだけに、毎度グッと心を揺さぶられます。
物語の結末は気になりますが、二人の関係はどうなるのか? と思うと非常に切ない。

バトル描写は美しい色と豪快な動きが織りなし、チャプターごとに異なる大きな見せ場があります。
コメディ要素もこれでもかと盛り込まれており、飽くことなく楽しめます。
もう一つ言わせていただければ、読んでいるだけで様々な〝味覚〟を刺激されます。

本レビューはchapter3までの感想ですが、この先もとても楽しみです。

筆者様のテンポの良い文章と巧みな語彙で、世界観にどんどん引き込まれる作品、ミミボラ。
甘いケーキとコーヒーをお供に添えて、是非ご一読を!

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