第7話 婚活体験記を読み漁る

 自分の婚活は早くも行き詰っていた。というか婚活をしようと思っただけで、ほとんどそれらしい行動をしていない。なんというか、どうやって結婚に辿り着くかというイメージが無いのだ。東京オリンピックまでにお相手をなんて考えもあったけど、気付けばもうすぐ年の瀬だ。ただ、今まで疎かだったことを色々やり始めたという意味で、生活に変化が出てきたことも感じていた。ここから出会いに繋げるにはどうしたら良いんだろうか。


 会社だと社内恋愛で結婚した人もいるけれど、大体みんな社交的でユーモアもあって、恋愛経験の豊富な人が自然と結婚している気がする。そういう人は自分の参考にはならない。参考にするなら、自分に似た人がどうやって結婚したのか聞く方が良さそうだ。でも自分の友達で、結婚した人はまだ一人もいない。詰んでるんじゃないかこれは。


 やがてふと、数年前にPixivで読んだ婚活体験漫画を思い出した。オタクな女性が描いたもので結構面白く読めて、確か書籍化もされてたと思うけど、ほとんどはサイトで無料で読めたはずだ。


 改めて、婚活体験記のような漫画を探してみると、想像以上に沢山の漫画が出てきた。ざっとレビューなどを読んでみて、ちゃんと結婚に辿り着くまでを描いてる漫画をいくつか読むことにした。婚活が上手くいかなくてただの愚痴になっていそうな漫画もあったけど、そういうのは読まないことにした。


 婚活体験記を読んでみたのは意外と得るものがあった。婚活しようと思った動機、婚活で試したこと、上手く行かなかったやり方、出会った相手にNGを出した理由、最終的な結婚相手の決め手など、事前情報としては参考になる話が多かった。更には結婚後の生活や、出産や子育てなどの内容も描いている人がいて、その辺りの情報も色々と勉強になった。


 それから、読んでいて気付いたことがあった。婚活漫画を描いているのは女性の同人漫画家とかが多かったのだけど、結婚相手もゲーム好きとかサブカル好きとか、似た嗜好の人が多いということだ。と言っても完全に趣味が同じな訳でもなくて、相手にも合わせてあげられるような人とくっついてる印象だった。ぼんやりとしたイメージではあるものの、少なくとも共通の話題があることと、相手の好みに合わせられるかどうかは、かなり重要なのではと思った。



 それから漫画だけでなく、婚活指南本のような本も読んでみることにした。この手の本を書いているのは、結婚相談所にいる仲人の人だったり、単にWEBライターのような人だったり色々だ。これも読んでみると結構面白い。


 合コンや街コン、お見合いパーティーや習い事での出会いなどは、結婚まで行き着く可能性が低いらしい。いや知ってたよ。自分が今更そういう所で出会えるなら、学校や会社でも多少の出会いがあったはずだ。ああいう賑やかな中で相手を探せる人は限られているのだ。前に行った同窓会でも会話するのがやっとだったし。


 けれどもその一方で、結婚相談所のような所は、仮交際や真剣交際の期限があったりして、それはそれで窮屈だなと感じてしまった。成婚まで辿り着く人は月に何人も会ったりしてるそうなので、まとまった時間も確保しないといけない。


 やっぱりまずは、マッチングアプリで誰かと出会う所を目指そう。それから結婚相談所にいっても不自然ではないだろう。



<つづく>

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