第9回 ブロッサムのキャラクター(超存在編1 メテオライト)

連載中の作品「ブロッサム:エクスプロージョン」に関する記事です。

「イクリプス・レムリア」「超存在の恋」が完結し、超存在メテオライトに関して多くの謎が解き明かされました。今回はその情報をまとめ、少しの補足も加えた超存在メテオの特集回です。

※「超存在の恋」までのネタバレがあるのでご注意ください!※


・超存在メテオライト

完全な永続宇宙「レムリア」をコアとして生まれた外殻世界がメテオライトである。コア部分はどんな力でも決して破壊されることはないが、活動用の肉体の生成を妨害されて弱体化、無力化を受けたケースはある。

当初は銀河をめぐり旅先で情報を交換する存在だったが、ある時に立ち寄った世界「クラッド」での事件をきっかけに、いくつもの世界を併呑する宿命を背負うことになった。

内部に吸収した世界は数千に及ぶ。管理者は当初、いろいひつぎと綺せきの姉妹二人だけだったが、クラッドで出会った遠海とおみ彼方かなた朽常くじょうしょうが加わり、四人の管理者によって運営されている。


クラッド以後のメテオライトには二つの役目がある。一つは、無数の銀河が点在する宇宙の謎を探求し、そこに発生する価値を保存、または修復すること。もう一つは、クラッド銀河で拡散してしまった技術漏洩を追って数々の世界を回り、影響を食い止めることである。

前者の役割は、レムリア世界から与えられた当初の使命であった。銀河または銀河団に文明を芽吹かせる存在「クラスターコア」の謎を解明するために情報を必要とした他、人類文明が作り出す価値を学ぶという意味があった。また、クラスターコアの破損など危機に瀕している世界があればその救済も行った。

後者の役割は、メテオが発明した先進素材MLDの影響で各銀河に起きうる様々な問題を解決することである。その結果として、その銀河を破壊したり吸収する必要が生じ、メテオコアは多くのクラスターコアを吸収し管理下に置く特別な存在として成長していった。

同じく集合体コアを持つブロッサムアースでも問題なく活動できたのは、メテオライトがただのクラスターコアではなくこのような超越存在となっていたからである。


・管理者その1 綺柩

空間剣リツィフェルと呼ばれる管理能力の一つを持つ、メテオ管理者四人のうちの一人。管理者はそれぞれに、クラスターコアが持つ現実構築能力の重要機能を封じた道具を持たされている。

空間剣の能力は、外部の物質の吸収である。柩の役目は必要とされる情報や物質の収集であり、それを実行しているのがこの剣の能力である。集めた外部物質や情報は柩というフィルターを介して、無害なものだけがメテオ深部へと届けられるようにできている。内部の楽園を破壊せず情報を得るための門番が柩の機能である。

空間剣は、完全世界以外に属する物質を問答無用で吸い込むことができるブラックホールを形成する。どんなものでも取り込んでMLD化し、メテオのものにすることができる。この力は、物質の結びつきをといて消滅させる破壊にも応用できる。また、ブラックホールによってその場に簡易的な縮退炉を作り、外部物質から臨時のエネルギーを引き出すことも可能である。

吸収によって一時的に何もない空間が生まれるため、空間剣は漆黒の剣に見える。吸収した物質や情報は析や彼方に送られるが、有害と判断され柩フィルターで除去されたものや、柩自体の活動に必要な少量のエネルギーだけは柩の領域で保存されている。

コアがまだ未熟で物質の統制が甘いブロッサムアースにおいて、その力は使用できているようである。柩は何度かこの力を使っている。

柩はまた、メテオ内部の時の流れを司る存在でもある。その能力から、四人の管理人格の中でも方針を決定する力があるリーダー的な存在と言えるかもしれない。


・管理者その2 綺析

柩の双子の妹で管理人格の一人。析は灰燼剣アッシュと呼ばれる管理能力を与えられている。メテオが保有する余剰の物質を全て光に変えて使うことができる超兵器である。

それはメテオが持つ総力をぶつけるということに等しく、単体の武器として最大の火力を持つということである。放出した物質はコアとの結びつきによって全て灰燼剣に還っていき、メテオが保有する物質、エネルギーの量が減ることはない。この力は兵器にも流用でき、メテオ内部の拠点であるオウミⅣクラス戦艦に莫大なエネルギーを供給してもいる。機械だけでなく、味方に力を付与しブーストさせることもできる(グレイスがその例)。

四人の管理者は全て同格という扱いだが、最も強力な灰燼剣を持つ析は他の管理者の倍以上の現実干渉力を持っている。灰燼剣と相性がいい空間剣を除けば、メテオ内にこれに対抗できる力は存在しない。

灰燼剣はその他にも、その世界の物質をコアから切り離してしまう因果破壊の力がある。その世界のクラスターコアが完全な超存在に進化する前であれば、世界そのものを切り分けてしまうことができる。相手が超存在でも、一時的になら力を分断することが可能。


・管理者その3 遠海彼方

柩から力の一部を受け継いで管理人格に組み込まれた少女。天耀箱ルスカと呼ばれるクラスターコアを持っている。

天耀箱は後から追加された機能だが、クラッド世界の半分を使って作られた紛れもないクラスターコアである。完成したクラスターコアは結びつく物質を完全に制御できるため際限なくエネルギーを発生し、天耀箱もまた自らの管理区域を動かすための力を供給し続ける無限動力炉である。

天耀箱には特別な攻撃能力はなく、クラスターコアとしてのポテンシャルのほとんどを計算や思考に割り振ることができるように設計されている。灰燼剣と空間剣によってもたらされる流入物質や情報を全て整理、分類し管理するために役立てられている。

また、柩や析が何らかの事情で力を行使できなくなった場合、その機能をロードすることで複製として機能できるようになっている。出力こそ劣るものの、空間剣のブラックホールや時間の運行、灰燼剣の光の剣を再現することができる。

しかし彼方自身は不器用で現実干渉を腕力の強化くらいにしか使えなかったため、複製を使う事態が起きれば大惨事になりかねず、柩や析が担う責任は大きいといえる。


・管理者その4 朽常檣

クラッドコアと融合させられて死に瀕していた少女が超存在となったもの。MLDの力によって一命をとりとめ、現在はメテオ管理人格の一人となっている。与えられた管理能力の名は闇耀盾クラッドで、自身との融合コアと同じ名である。

盾とつくことからわかるように、外部からの干渉を遮断する機能を持っている。クラスターコアが持つ「自分のコアに結びついた物質を完全に制御できる」という能力を管理することに特化している。メテオが持つすべてのコアと繋がって、物質、精神、その他あらゆる外部からの干渉に抵抗させ、危険な変化を遮断する絶対防御を実現している。

その命令権は強力で、外部からの干渉を防ぐだけでなく、中から外に出ることも防いでいる。四人の管理者がそれぞれの職域を超えて行動しないように縛るルールであり、保存した情報が損なわれないようにする機能でもある。

さらに、檣が新たに加えた機能によって、管理者が外での活動で出会う者の有害と無害を判断し、有害なものを遠ざけるという因果操作も実現している。

この新機能は檣が独断で作り上げたものである。クラッドという荒んだ世界で傷つくことになった柩のことを考え、二度とそういう悲劇が起きないことを願って付け加えたのかもしれない。現在柩や析と付き合いのある人間たちは、この「見えない盾」のチェックを通過してきた善良な人間だけということになる。

闇耀盾は、上記以外に一つだけ隠された機能を持っている。


現在、メテオライトが背負っていたMLD回収の役目は終わっている。探求の旅についても、ブロッサムアースに到達した時点で目標の旅路を達成している。

今のメテオライトには使命がなく、管理者は自由に行動できる状態にある。この先の旅路を考えるべき時に来ている。だがその前に、現在いるブロッサムアースでの問題に取り組む必要がある。


(メテオまとめ・終わり)

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