もなかトリップ ~World's End~

雪猫すい

第1話 もなかと、この世界の概要。

あぁ、今日はこの国の領土が倍に膨れ上がる日か。

なんとなくわかる。

ベランダからの朝焼けが囁き返してくる。


「今日はこの国の領土が倍になって隣の国が米粒になるの。そんな気がするわ」


…思ったよりまずい気がした。確証はないけどさ…


───────────―――――――――――――――――――――――――――


わたしの名前は、篠崎もなか。眼鏡女子。

至って普通のJKなはずだ。ちなみにかわいい。うふ♪


「繧ゅ↑縺具シ√◎繧阪◎繧榊ュヲ譬。縺倥c縺ェ縺???」


この声は母のものだ。

母とは文字化けで会話している。物心ついた時からこれなので幾分慣れた。

言語、っていう感じは未だにしないけど、、通じているのならまぁヨシ。


「莉頑律縺ッ蟄ヲ譬。莨代∩縺?繧茨シ」


今日はお休みの日だ。久しぶりにお散歩でもしようかしら。

ついでにパパ活っと。


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この世界は、ある日を境に変わった、といえる様な確信めいた事象は無いものの、

数年前とは明らかに違った世界が広がっている。

いうなれば世紀末。割と平和な感じの世紀末。


例えば。

わたしたちは、自分の持っている「趣味」ごとに地区が割り振られ、それぞれ別の島に住むようになった。

理由は詳しくは知らないが、政府の気が狂ったとかいう認識で問題はなさそうだ。

ともかく、ひとつの国の中に無数の島が存在しているらしい。

一応島の移住は出来ないようになっているが、普通に旅行として他の島に行けるし、

なんなら最強のネットワークが通っているので特に困ってはいない。普通に他の島のことも知っている。


ちなみにわたしに割り振られた島は、「援交」の島だ。

そりゃそうだ。週8でやっていたりすればこうもなりますわ。

お父さんもこの島にいるけど、嫌だなぁ。


けれども、この世界になってから恐怖感を覚えることもしばしば起こってきた。


誰に許可を取ったのかは知らないが、勝手に領土が動き出すのだ。


国土が、の問題であって、わたしたちの島が、という訳ではないけれども、

理不尽に拡大されたり、その影響で他の国が縮小したり、などということは何回もあった。


それを受けてなのか、数年前の元旦から、他の国の領土以外の情報が入ってこなくなってしまった。

いつその国がなくなっても困らなくするため、だそうで。

割とK-POPとか好きだったんだけどなぁ。


何年か経ってはいるけどわたしたちの国には特に影響はなかった、



だが。


───────────―――――――――――――――――――――――――――


今日、なんか、なんとなくだけど。


国土が倍増する気がするんだよなぁ……


他の国の領土の情報を見ていると、一度変形を始めたら短い間隔で

複数回の変形が発生している気がするのだ。

ある日突然国土の半分が地下に回るとか、そんなことないといいけど。


あくまで自然現象だし、考えてもしょうがないかな。

今は静かな住宅街の澄んだ空気を存分に楽しもう。気持ちのいいものだ。




なんか向こうに見えるけど。

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