第4話 書類のコピー作業

 4度目に受けたのはバイトというか業務委託の仕事、つまり雇用契約を結ぶわけではない完全出来高制のコピー作業だった。コピー1枚につき0.5円とかで月に得られる報酬はせいぜい2~3万円だという。とはいえ、会社は平日はもちろん土日もほぼ毎日空いており朝の8時ごろから19時あたりまでの間で自分の好きな時に出社していられる時間だけ作業できるという条件はニートをやっていた人間にとってかなり都合の良いものに感じたので応募することにした。こんな仕事ですら写真付き履歴書を用意して面接に行かなければならないというのは面倒ではあったが業務委託の作業なため最低時給すら稼げないものだったしこれなら自分でも受かるのではないかとひそかに期待していた。しかし結果はメールで不合格……同じような考えをした人間(おそらく主婦が多いと思われる)はほかにもいたようである……。まあ自分があまりに不審者過ぎてほかに応募がなかったにもかかわらず落としたという可能性もあるが、その後全く募集がかけられてないようなのでおそらくほかにもいたのだと思いたい。いやいなくても受からなかっただろうなどうせ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る