第2話 ママごめんなさい

 学校から帰ってくると、誰もいない。大好きなママは留守なのか?

 ちょっと寂しいけど、それはそれでチャンスである。


 クラスの友達は、お姉さんの下着をオカズにしているらしい。今日、僕はママの下着を探すんだ!

 意外と見つからない。ママの下着の在り処が判らないのである。物色してる所を見つかったら不味い。今日は諦めることにしよう。


 リビングに入ると何かが落ちている。レースのハンカチかな?


 くしゃくしゃに丸めてあった。拾ってみるた。開いてみると、それは御パンツ様であった!

 レースのパンティーであるっ!

 ママの匂いがする!

 間違いない!


 僕は一目散に部屋に戻った。ズボンもパンツも脱ぎ捨てた。馨しいママの匂いを嗅ぎながら、独り遊びを始めた。


「ママ、ママ、ママ、大好きだよ、ママ!」


――とんとんとん

 戸を叩く音がする。

「ヰサヲちゃん入るわよ」


――ギィー

 と戸が開くと、ママの美しい顔が現れた。


 僕はママに見られてしまった。ママのパンティーの匂いを嗅ぎながら、下半身丸裸で寝ている姿を。恥ずかしくて堪らない。穴があったら入りたい。

 でもママの穴には入れてくれそうもない。こんな姿を見て、ママは僕のことを嫌いになった筈だ。

 どうしよう?

 ママに嫌われたら、僕にはもう生きる術がない。


「ママごめんなさい。本当にごめんなさい。どうしたら許して貰えますか?」


「ヰサヲちゃん、謝ること無いわよ。どうして謝るのかしら?」

「だって、僕、ママの下着を盗んで、独り遊びして……本当にごめんなさい」

「私の下着のことは好いわ。ママのパンティー気に入ってくれたなら、ヰサヲちゃんにあげるわ。正直に言ったご褒美ね。でもね、独り遊びはいけないわね。どうしてママに相談してくれなかったの?」

「ママありがとう。嬉しいよ!」

「パンティーあげるから、もう一人遊びしちゃダメよ」

「はい、ママ」


「ヰサヲちゃん、凄いわね。三回もしちゃったの?」

「えへへ……」

 ママは手際よく、散らかしたティッシュを片付けた。まるで赤ん坊のオシメを取り換えるようである。


「全部お洗濯しないとダメね。ほら、立って両手を上げなさい」

 僕は全裸にされてしまった。ベッドのシーツまで取り換えようとしている。

「僕ぜんぜん汚してない筈だけど」

「ママはヰサヲちゃんのアレを汚いなんて思ってないのよ。でもね、神様の御掟を破った穢れは、ちゃーんとお清めしないとね」

「やっぱママ怒ってるの?」

「どうして、ママが怒るの。今までママが怒ったこと有るかしら?」

「いつもママは優しいよ」

「そうでしょ。ママはヰサヲちゃんがナニをしようと絶対に怒らないわよ。どんなことでも心を広くして、あなたを受け入れるわよ。でもね、信仰上のケジメはきちんとしないとね」

「はいママ、これからナニをするの?」

「一緒にお風呂に入って体を清めるのよ。それから、二人で懺悔をしないとね」


 我が家はクリスチャンである。あの父親の与作は確かにクリスチャンである。昔は宣教師だったらしい。偽善者ぶった綺麗ごとが鼻に着く。でも、ママって敬虔なクリスチャンだったっけ?

 よく二人で神社にもお寺にもお参り行ってたっけ。

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